神戸らしさと特別感-おとな旅神戸(2) 好調の要因は「顧客価値追求」

 「おとな旅・神戸」は今年1-3月に第1弾を開催。2012年の大河ドラマ「平清盛」で集まった注目を神戸ファン獲得につなげようと企画した。市や神戸国際観光コンベンション協会などによる実行委員会が主催の官民協働の取り組みだ。

神戸愛する「市民アドバイザー」に個性

 神戸といえばファッションや食、港町といった「おしゃれで上質」なイメージ。従来はこれを具現化させたツアーは少なかったが、おとな旅ではこの「神戸らしさ」に、ターゲットのアクティブシニア層の女性をひきつける「特別感」を加え、「神戸ならではの着地型旅行」を実現させた。

 6-7月の第2弾では募集開始後数分で完売するツアーもあるなど初日の予約率は75%、最終的には92%を記録。満足度も第1弾92%、第2弾93%と高く、参加者は神戸市からが約50%と地元からの支持も上々だ。

 好調の要因に、山田さんは「顧客価値の追求」を挙げる。ツアー後は必ずアンケートを取り意見を商品に反映させるなど「お客が面白いと思えるものをつくることが第一義」という考えを徹底。実際に成功するかは半信半疑だったそうだが、これまでツアーの9割が売れたことで「このやり方で売れる」と確信、加えて「金額に見合う価値の提供の重要性」への自信を深めたという。

 面白いツアー実現のカギが「市民アドバイザー」。神戸を愛する作家や編集者、料理人、老舗店主らがアドバイザーとして企画・同行案内するツアーですべてのプログラムを構成しており、おとな旅最大の特徴と言ってもいい。宿泊者しか食べられない神戸北野ホテルの「世界一の朝食」を山口浩シェフ自らの案内で味わうツアーや、作家・玉岡かおるさんが自身の作品「お家さん」の舞台・元町を語るものなど、体験からまち歩きまで独自性に富んだラインナップがそろう。


情報提供:トラベルニュース社