17年ぶりに「義経」復活 京都・梅小路運転区100周年
明治生まれのSL「義経」号が復活し、17年ぶりに走りました。京都市下京区の梅小路蒸気機関車館にある扇形の「梅小路運転区(誕生時は梅小路機関庫)」が100周年を迎え、10月10日に行われた記念セレモニーの一環で、3両の客車を引く力強い姿に歓声があがりました。
義経号は1880年(明治13年)、アメリカ生まれ。全長12メートルほどの小型のSLで、正式には7100形7105号蒸気機関車と言います。明治天皇のお召列車をけん引するなど活躍し、今年4月までは大阪市港区の交通科学博物館で保存展示されていました。
交通科学博物館の閉館に伴い梅小路運転区へ移され、約6カ月をかけて動態保存するために復活作業が行われました。現存する7100形では唯一の動態保存機。この日は館内の専用線を3往復し、1番列車に乗った約80人の地元保育園児たちは「おおきかった」「たのしかった」と喜んでいました。
梅小路運転区は大正時代に開設され、SLの整備を主に行ってきました。現在も山口線を走る「SLやまぐち」号や琵琶湖線の「SL北びわこ」号など臨時運転するSLの整備を担っています。
セレモニーで、JR西日本京都支社の蔵原潮支社長は「今日まで梅小路運転区が存続しているのは地域の皆さんのおかげです。これからもよろしくお願いします」。
京都市下京区の山本耕治区長は「梅小路周辺の開発で京都市西部が活性化しています。この地域が変わってゆく姿をみなさんで楽しんでください。これからも京都のまちづくりにまい進してまいります」と話していました。
梅小路蒸気機関車館は旧国鉄時代の1972年に開館。SLを多数展示し、動態保存していることで全国の鉄道ファンに人気の施設です。16年春には、隣接エリアで建設中の京都鉄道博物館と一体化し、日本最大級の鉄道博物館が誕生することになります。
情報提供:トラベルニュース社