フィンエアー、FITなどレジャー強化、旅行会社向け活動も拡充

  • 2014年11月9日

新たなデザインが施されたA330機  フィンエアー(AY)は現在、レジャー、特にFITの需要獲得に向けた活動を強化している。2014年2月までは役所広司さんを起用した広告などを通して企業やビジネスマン向けにアピールしてきたが、その後はムーミンを大きく打ち出して北欧の「おしゃれ」「かわいい」「清潔」といったイメージを強調。AY日本支社営業総支配人の永原範昭氏によると、基本方針としてムーミンの広告展開は2015年も継続し、認知度の向上をはかる。

 11月7日に東京で開催した旅行業界向けセミナーでAY東京支店支店長の小峰祐樹氏は、特にF1層、F2層がターゲットであると説明。これらの層では、すでに北欧デザインなどにより一定のイメージが形成されており、そこにAYの利便性や安全性、デスティネーションの多様性を組み合わせて紹介していく。AYでは片道のみビジネスクラス利用など柔軟な運賃体系を採用していることから、女性の「ご褒美」旅行といったアプローチも模索する。

 また、夏スケジュールでは週21便となる成田、関空、中部の3路線を活用し、旅行会社にパッケージツアーの催行率向上も提案していく。小峰氏は、20名の最少催行人員で東名阪それぞれ8名ずつしか集客できなかったとしても、ヘルシンキで合算して24名とすれば催行可能であると指摘。

旅行業界向けセミナーの様子 営業本部の違いなど課題もあるもののすでに取り組みを始めている旅行会社もあるといい、従来の「Gateway to Europe」に加え、「Meet Point to Europe」としてもヘルシンキをアピールしていく。

 こうしたレジャー需要への注力の中で、2015年夏ダイヤで就航を予定する新デスティネーションも活用。来夏にはダブリン、アテネ、マルタ、パフォス、ロードス島、クレタ島、コス島、カタニア、ナポリ、インスブルック、スプリットに就航する計画で、またベルゲン線も従来の週5便から週6便に増便するという。

 加えて、旅行会社向けの活動も強化する。従来から営業担当社員などが個々の旅行会社へAYの特徴などを説明してきたものの、旅行会社側の異動などで理解度が薄まってきており「何もしなければ埋没してしまう」(永原氏)との認識。7日のセミナーも永原氏の着任以降では初といい、今後も種々の施策を展開していく計画だ。

 なお、セミナーでは日本航空(JL)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)との共同事業についても紹介。小峰氏は共同事業には「無限の可能性がある」とし、すでに扱っている公示運賃の共通運賃だけでなく、今後はIT運賃にも広がっていくと予想。旅行会社からも幅広い提案を求めた。