ユナイテッド航空、羽田初便ほぼ満席-成田ハブ重視も変わらず
ユナイテッド航空(UA)アジア太平洋・大西洋地区営業担当副社長のジェイク・セフォリア氏はこのほど、本誌らのインタビューに応じ羽田/サンフランシスコ線の戦略などについて語った。同氏は10月28日に就航した初便について「ほぼ満席で、時間通りのフライトとなった」と話した。
羽田線の強みとしては、UAのハブ空港であるサンフランシスコ空港とジョイントベンチャーを展開する全日空(NH)のハブである羽田空港を結ぶことで、様々な地域への接続が可能な点を強調。UAはサンフランシスコで1日あたり300便を提供しており、その中でも羽田線を利用すると約20都市への乗継が可能であることを訴えた。
ターゲット層については「UAの売上を牽引しているのはビジネス需要」であるが、ラスベガスなどのデスティネーションに接続可能なことから「レジャー、ビジネス需要双方に自信を持っている」とコメント。ビジネス需要に向けては都心から近いことに加え、フライトの発着時間が夜であり1日活動してから出発が可能である点をアピール。レジャー需要に対しては、レジャー向けである西海岸のデスティネーションに接続が可能なことを訴求していく。
また、他社の羽田/米国線が不安定であることに対して「我々としては羽田線を成功させることが重要」としながらも、公共交通機関でのアクセスが可能な時間であることと、NHとパートナーであることが「他社にはなかった強み」と説明。さらに、これまでUAが運航していた成田線を羽田に移し機材を変更したことで「追加の需要を取り込むのではなく、東京発で成田と羽田の選択肢を増やしただけ」と語った。
羽田/米国線ではアメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)が米国運輸省(DOT)に、デルタ航空(DL)の羽田発着枠1便分の没収と再配分を要請したところ。これについて、セフォリア氏は「米国運輸省が協議することで、私がコメントすることではない」としつつ、UAとしては「今は羽田/サンフランシスコ線を成功させることに集中している」と述べた。
さらに、同氏は昼時間帯の羽田発着枠についても言及。「我々としては与えられた、存在するスロットで成功していくことが方針である」が、もし昼便を飛ばすことが可能となった場合は「利用者の特性を分析し需要の動向を掴み、さらにサンフランシスコ以遠の接続の可能性を考えていく」という。
一方、成田と羽田の棲み分けについては「今回の羽田線就航は補完的」と説明。「都心からの近さや発着時間の利便性で羽田を選ぶ人もいるが、成田の方が利用しやすいという人もかなりの割合でいる」ことを挙げ、「成田は東京戦略、日本戦略で非常に大切で、成田こそが東京のハブ」と重要性を語った。
このほか、日本市場に対しては「重要なハブ空港であるサンフランシスコに羽田、成田、関空の3ヶ所から運航をしており、日本市場をどれだけ重要視しているかの表れ」とコメント。また、NHとのマーケットシェアが伸びていることと、昨年就航した成田/デンバー線が成功していることで「我々の運営が優れていると証明できる」と述べ、今後も「需要の動向を把握しその地域に対して迅速に対応していく」考えだ。