久保長官、ビザ免除でインドネシア強化-新免税制度、地方に期待

  • 2014年10月23日

 観光庁長官の久保成人氏は10月22日の定例会見で、インドネシアのビザ免除を受け、プロモーションを強化する方針を示した。外務省では9月30日からインドネシア、フィリピン、ベトナムへの数次ビザを大幅に緩和。12月1日からはインドネシアでIC旅券の事前登録制によるビザ免除を開始する。久保氏は「特にビザ免除は極めて有効」と期待を示した。現在、各国に規制緩和に関する告知を開始し、認知度の向上をはかっているところだという。

 インドネシアに関しては12月から現地の大手旅行会社と共同広告を実施するなどプロモーションを強化していく予定。同国にはIC旅券の所持者が少なく「(所得水準の面などから)海外旅行をする層も限られている」ことから、ターゲット層を絞り、焦点を当てたプロモーションを展開していくとした。

 また、久保氏は新免税制度についても言及。日本全国の食料品や酒など、地方の物産品も免税の対象になったことを受け「地方経済の活性化にもつながる」と期待を語った。免税対象の拡大により、大手ショッピングセンターやドラッグストア、百貨店などに加え、地方のホテルや旅館、物産センター、アンテナショップでも免税対応の動きがあるといい、観光庁としても各地域の動きを後押ししていきたい考え。今後各県の免税店数を把握するとともに「他県よりも(増加率が)大きくない地域へはいっそう応援していく」とした。

 今後は国内外に新免税制度を告知し、免税店の増加と、訪日外客の誘客に取り組んでいく。免税店増加については、各地方ごとに制度説明会を開催したところ。今後も要望があれば直接出向いて説明会を開催していく。

 また、地方運輸局や経済産業局の「免税店相談窓口」の周知・活用を推進するとともに、新制度に伴うQ&Aや、指差し会話ボードなどのツールを用意していく。10月1日からは観光庁のウェブサイトに国内事業者向けの「免税店サイト」を開設し、免税店事業者登録方法などを紹介中だ。今後は第3者に免税手続きを委託できるよう税制改正で要望していく考え。実現すれば物産センターなどで手続きが一本化でき、利便性が向上するとともに、免税店対応しやすくなるという。