カナダ、15年の日本向け予算を20%増に-「カナダ・シアター」始動も
カナダ観光局(CTC)は10月16日、日本市場向け商談会「フォーカス・カナダ・ジャパン2014」を開催した。これは、過去4年に渡り開催されていた日本、中国、韓国、インド向けの「ショーケース・カナダ」に代わって今年から新たに始めたもの。日本/カナダ路線の拡大やNHK朝ドラ「花子とアン」の放映などカナダ市場底上げの好条件が揃ったことから、カナダ旅行業界の日本市場に対する関心も高く、参加セラーは当初予想を上回る50社75名。バイヤーは、東京、大阪、兵庫、京都、名古屋から55社76名が集まった。
CTCマーケティング上級副社長のジョン・マメラ氏は、インタビューに応え「日本市場の将来は明るい。今後のさらなる成長を見込み、2015年度(1月~12月)の日本市場向けの予算を前年比20%に増額する」と明らかにした。今年の1月から7月のカナダへの日本人渡航者数は、12.6%増で推移。国際市場全体の伸び率である9.2%を上回った。7月単月では28%増で、ハイシーズンに入りさらに実績を伸ばした。
マメラ氏は「航空ネットワークの拡大が大きい。また、チームカナダによるプロモーションも功を奏している」と説明し、「来年もこの勢いは続くと見ている」と期待感を示した。CTCでは、2014年の目標を21万人と設定。2015年は23万3000人をめざし、カナダ建国150周年を迎える2017年には25万人まで引き上げたい考えだ。
マメラ氏は今後の取り組みについても言及。「カナダの最大の強みは大自然だが、市場拡大にはそれ以外のプロダクトについても伝えていく必要がある」と話し、旅行会社やメディアの力を借りながら、新しいカナダを訴求していく方針を示した。
CTCは、来年春から新しいプロモーションプログラム「カナダ・シアター」を始める。BSイマジカとタッグを組み、食、自然、歴史、冒険など10のテーマでドラマを制作。来年7月1日のカナダデーに合わせて放映を開始し、2年間にわたって定期的に番組を放送する。CTC日本代表のモリーン・ライリー氏は、「この取り組みを通じてメディアでの露出を増やすことで、カナダらしいストーリーと体験を紹介していく」と説明した。
さらに、カナダを訪れる日本人の70%が50歳以下である現況では、若い世代向けのコースも増やしていく必要があるとの認識を示した。今後はSNSを通じたプロモーションにも力を入れていくとともに、新しいモデルコースを積極的に旅行会社に提案していく考えだ。
また、CTC本局日本・韓国・南米地区代表のシボーン・クレチェン氏は、エア・カナダ(AC)が来年5月に就航を予定する関空/バンクーバー線について触れ、「ACと協力して、関西での需要喚起に力を入れていく」とコメント。チームカナダでも来年初頭から関西マーケットでのプロモーション活動を強化していく方針を明らかにした。
このほか、クレチェン氏は日本市場に特化したフォーカス・カナダ・ジャパンについて、「カナダのセラーにとっても、日本を訪れることで日本市場の現状を知るいい機会になっている」と話し、そのメリットを強調した。なお、来年のフォーカス・カナダ・ジャパンは大阪で開催する。