「維新伝心」の集大成-全旅連青年部(4) 課題解決へ青年部活動

 桑田 青年部はトレーニングの場であり勉強の場であり、自身の意識を変えることのできる場です。いずれは経営を継ぐとなんとなく思っていても、多くの青年部員はなんの技術もなく、経験もなく旅館に入っていきます。なにもない状態から経営者としての意識や知識を吸収できる場が青年部です。自由に考え、活動していいんです。失敗しても先輩という後ろ盾があるから、勇気をもって行動できる。とにかくすばらしい場所です。最近は出向者が増えているんです。青年部の価値を感じてもらっているんだと思います。

「青年部をクリックすれば答えは出る」

-次期部長として自己紹介をお願いします。

桑田 長野県の菅平高原で、スポーツ合宿の受け入れをメーンとする宿を経営しています。ラグビー、サッカー、陸上、冬はスキーです。収容は400人、従業員は8人ほどです。ラグビーやサッカーができる天然芝のグラウンド3面と人工芝が1面、それに体育館を所有しています。菅平高原には全部で108面のグラウンドがあります。ちょっと特殊なエリアですね。自分の施設をスポーツに特化した方向にもっと進めていきたいと思っています。

-抱負は。

桑田 父も青年部で活動していました。父と話をしたり、青年部員として活動していて、業界をよくしていけるのは青年部だと認識しています。特に政治活動の重要性は感じています。そこは一生懸命やりたい。客室の販売など流通のあり方にも強い関心を持っています。17年ほど前に旅館ホテルが自ら在庫を管理しインターネットを通じて旅行会社や消費者に直接客室を販売できるeRYOKANという会社を立ち上げたこともあります。

 私は現在の旅館ホテルとOTAとの関係をイコールパートナーという形に変える必要があると思っています。私たちがOTAに依存しすぎているのが原因であり問題ですが、パワーバランスを改善し均等に近づけていきたい。

 インバウンドは、国内旅行者が減り続けているなかで、未来を考えれば取り組む必要があるのは明白です。私はラグビーのセミプロとしてニュージーランドで2年間生活したことがあります。ちょうどラグビーのプロ化元年でした。セミプロといっても1試合勝てば20ドルといった世界です。もともと外国人へのアレルギーはないですし、海外で一緒にラグビーをしても、生活しても人間は根本は同じだと思います。まずは気持ちのハードルをなくしていくことが大事です。日本人のアイデンティティは大事ですが、世界人という感覚を持ってインバウンドの受け入れにトライしてほしいです。

 部員への情報伝達にも力を入れたいと思っています。自分がホテルから一歩出て、青年部という場を持ってから毎日進化していることを実感しています。会社が絶対につぶれないという自信を持てたのは青年部のおかげです。ネットの世界じゃないですが、青年部をクリックすれば答えのページが現れます。青年部にはソリューションがあります。それは人間関係があるから得られるソリューションです。青年部で一緒に学びましょう。


情報提供:トラベルニュース社