クロアチア、日本人旅行者数はピーク時の水準に回復、FITが増加
クロアチア政府観光局は9月24日、都内で旅行会社向けセミナーとワークショップを開催し、クロアチア観光の現況について説明した。同観光局によると昨年の日本人旅行者数は前年比3.2%増の16万25人で、過去最多を記録した2009年の16万3400人以降では最多。宿泊数も前年比4.7%増の22万1526泊となり、2009年の22万1541泊とほぼ同水準に達した。
クロアチアへの日本人旅行者数はブームの反動で2010年には14万7119人に減少。2011年には東日本大震災も影響して13万1630人にまで落ち込んだが、2012年には15万5088人に回復して、宿泊数も22万499人にまで増加している。同観光局日本代表のエドワード・トゥリプコヴィッチ・片山氏によれば、今年の1月から7月の累計は昨年の同時期を上回っており、今年も通年では16万人台を維持する見込みだ。
片山氏は日本人旅行者数の回復傾向については、「震災などの影響を受けながらも、クロアチアのイメージは確実に浸透してきた」と述べ、ピーク時に比べてツアー商品の価格が上昇傾向にあることにも満足感を示した。ここ数年で顕著な傾向としては、治安の良さなどを追い風として女性を中心としたFITが増加し、「特に女性がリードする形でハネムーンが増えている」と説明。以前は日本人旅行者のほぼ全てを占めていた団体旅行者については、「現在は80%ぐらいにまで低下しているのでは」との見方を示した。
この日のプレゼンテーションで片山氏は、世界遺産のドゥブロヴニク旧市街などの観光地のほか、同国の食の多様性についてアピールした。同観光局が日本の旅行会社向けに、クロアチアの食文化を強く訴求したのは今回が初めて。片山氏はユネスコ無形文化遺産に登録された地中海沿岸部の料理や、オーストリアやハンガリーなどの影響を受けた北部の料理に加え、イストラ半島のトリュフやストンの生牡蠣などを紹介。「シンプルで素材を活かした料理が多く、日本人の口にも合うと思う」と強調した。