アイスランド総研が設立「ブーム起こす」-名誉教授にふかわりょうさん
一般向け旅行関連サイト「tripro」を運営するインターネット企業のOrangeは9月18日、アイスランド共和国大使館の後援により立ち上げた「アイスランド総合研究所(氷総研)」の設立記念パーティーを開催した。氷総研はアイスランドファンの旅行者などを「研究員」として募集し、各種ウェブサイトへの寄稿などを通じてアイスランドの魅力や観光情報を発信するもの。9月2日にはウェブサイトをオープンしている。
パーティーの冒頭で挨拶した、Orangeの代表取締役COOを務める佐藤永武氏は設立の経緯について、「世界中の観光スポットや旅の魅力を調査する中で、アイスランドの人気が高まっていることを知り、魅力を発信しようと考えた」と説明。アイスランド共和国特命全権大使のハンネス・へイミソン氏は、「アイスランドにとって旅行業は経済の重要な柱の1つ」と述べるとともに、今後、日本におけるアイスランド観光情報の発信の一翼を担う氷総研が、ツーリズムEXPOジャパン開催を控えた時期に設立されたことに喜びを示した。
佐藤氏によれば、Orangeがアイスランド大使館と初めて接触したのは2年前。きっかけは「大使館がオフィスの近所にあったから」とのことで、佐藤氏にアイスランド訪問の経験はなかったものの、「“絶景”がブームになっているが、アイスランドこそ正に絶景の宝庫」であることから可能性を感じ、情報提供を求めて大使館を訪れたという。その後、Orangeと大使館は協働を開始し、昨年のJATA旅博では共同で来場客誘致キャンペーンを実施している。
氷総研では今後、Orangeが持つITリソースと大使館が持つノウハウを活用して「アイスランドブームを起こす」考え。大使館が引き続き従来の観光情報発信を続ける一方で、氷総研はSNSなどを活用して展開をはかる。氷総研のウェブサイトでは既に「アイスランド検定」などのコンテンツ提供を開始しており、検定の合格者には「研究員」の資格を付与。ブログへの寄稿などで功績が認められたメンバーには「教授」や「上席研究員」などの肩書きを提供する。将来的には、旅行会社などと連携してツアー開発なども進めたいという。
この日のパーティーには「研究員」60名程度を含む約90名を招待。設立記念で募集したブログ記事の応募者のうち、優秀者3名にアイスランド大使館特別賞として氷総研の名刺100枚を贈呈した。受賞記事はツーリズムEXPOジャパン開催直前の22日から、ウェブマガジン「tripro VOICE」で公開する。また、アイスランドに関する書籍を出版しているタレントのふかわりょうさんを招き「名誉教授」に任命。ふかわさんは「真剣にアイスランド移住を考えている」と語り、参加者を驚かせた。
アイスランド大使館によれば、2004年から2011年にかけてアイスランドへの日本人渡航者は概ね年間6000人から7000人程度で推移。しかし2012年以降は大きく伸び、昨年の日本人渡航者数は前年比19.5%増の1万2363人となった。今年は1月から8月までの累計では昨年を1割以上上回っており、加えて昨年よりも多くのチャーター便が予定されていることなどから、年間記録の更新が見込めるという。