KNT-CT、14年業績達成見込む-KNT個人、構造改革で体質強化へ
▽クラツー、団体は堅調、訪日への取り組みも
一方、戸川氏はクラブツーリズムについて、昨年の売上は1600億円を超えていることから「まさに堅調そのもの」と評価。同社では昨年社内に100年プロジェクトを立ち上げ、将来を見据えた取り組みを進めているところ。1月には宇宙旅行会社を設立しており「新しい取り組みが一番できている」という。
また、訪日個人旅行者向けに「YOKOSO Japan Tour」を実施。同社では年間250万人をバスツアーで送客しており、培ったノウハウを訪日客向けツアーにも活かしていく。訪日客は昨年1万5000人を扱っており、今年は3万人の利用者を見込む。バスツアーは訪日客限定のものに加え日本人との混載ツアーも用意しており、参加者からの評判も高いという。クラブツーリズム代表取締役社長の小山佳延氏は「このバスツアーができるのはクラブツーリズムだけ」と自信を示した。
このほか、戸川氏はKNT個人とクラブツーリズムの統合によるシナジーについても言及。相互販売やチャーター商品の共同販売などを実施しており、2013年の売上で13億円のシナジーがあった点を強調。今年は上期のみで14億円のシナジーがあったといい、今後の効果に期待を示した。
また、戸川氏は近畿日本ツーリスト(KNT)で担当する団体旅行については「比較的堅調」とした。もともとの強みである教育旅行やMICE、スポーツ事業はアベノミクス効果もあり堅調に推移。KNT代表取締役社長の小川亘氏によると、教育旅行は43%、MICE事業は47%のシェアを占めているという。また、スポーツ事業についても、東京マラソンに参加する海外からの参加者3000人の宿泊・輸送を取り扱うなど、さまざまな事業を実施。2020年の東京オリンピック、パラリンピックを見据え取り組みを続けいくとした。
さらに、同社では日本から進出している海外企業の研修旅行など、団体の訪日事業にも力を入れているところ。訪日は現在売上の10%を占めているが、小川氏は「将来的には20%まで拡大したい」と意欲を示した。