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アクセスランキング、1位はUSJ×クールジャパン、首都圏増枠も

[総評] 今週の1位は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が2015年に計画しているイベントの記事が1位になりました。例によってGoogleニュースに取り上げていただいたようで旅行業界の純粋な関心を反映した結果ではなさそうですが、金曜日に配信した記事がいきなり1位ですから、それだけ注目を集めているということはよく分かります。

 イベントは人気の高い漫画やアニメ、ゲームの中から「進撃の巨人」、「エヴァンゲリオン」、「モンスターハンター」、「バイオハザード」の世界観をUSJ園内で再現するもので、世界的にも評価の高い、いわゆる「クールジャパン」のコンテンツをフックに誘客する戦略が読み取れます。

 USJではハリーポッターのエリアが開業し旅行会社の関連ツアーも含めて活況とのことですし、人気漫画「ワンピース」のイベントも好調と聞きます。また、ワンピースはハウステンボスの集客にも貢献しているところで、コンテンツが果たす役割は今後もますます増していくような印象を受けます。

 ハウステンボスもそうでしたが、ただ素晴らしい施設があるだけではお客様に来ていただくことはできず、その施設の中でどういった体験を提供するのかが重要なのでしょう。価値のある食器でも料理が貧相であれば到底満足はできません。こうしたテーマパークのアプローチは、旅行会社にとっても商品・サービスと付加価値の関係を考える上で参考になるのではないでしょうか。

 さて、今週は日系航空会社に関連する話題が多い1週間でもありました。第1四半期の決算が発表されるタイミングですので当然といえば当然ですが、旅行業界に中長期的に影響が大きいのは10位に入った首都圏空港の発着枠増加に向けた動きです。

 航空局では、まずは2020年までにどうすれば首都圏空港の発着枠を増やすことができるか技術的な検討を昨年秋から重ね、7月8日に中間取りまとめとして選択肢が公開されました。詳細はその際の記事(リンク)をご覧いただくとして、少なくとも技術的には成田、羽田ともに最大で年間4万回、1日約50便分の増枠が可能と示された状態です。

 今回の記事では、航空局が遅くとも秋口にはそれらの選択肢の実現可能性を検討する会議体の設立をめざしていることをお伝えしました。まだ設立も決定していない段階であれこれ書くことはできないものの、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを考えれば、基本的には増やすことを念頭に騒音などの障壁をどのように取り除くかという方向で議論が進められるはずです。そして2020年の夏までたったの6年ですからスピード感も求められます。

 首都圏では、羽田で今春から昼間時間帯の長距離国際線の運航が開始されたところで、そのインパクトは今週掲載した日本航空(JL)と全日空(NH)の決算でもすでに見て取れるところです。新しい会議体でどのような意見が出され、どのような方向性が見出されるかはまったく不明ですが、収入ベースで1便100億円という羽田線ですから航空会社の関心は並大抵のものではないでしょう。

 また、増えるとなれば航空交渉の相手先や航空会社への配分方法などもまた課題となります。繰り返しになりますが、2020年までに残された期間は6年であり、その間にこれらをすべて解決するとなるとかなりの急ピッチで物事を進めなくてはなりません。日本と海外の政府、航空会社、自治体など関係者のそれぞれの思惑がどのように収斂するのか大いに気になります。

 海外旅行、国内旅行、訪日旅行の3分野いずれにとっても首都圏の増枠は極めて重要なファクターであり、その意味で航空会社だけでなく旅行会社にとっても千載一遇の好機といえます。チャンスの神様は待ち構えていなければ、という話がありますが、旅行会社としては事態の推移を注意深く観察して方向性を予測し、備えていかなければなりません。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年7月第5週、8月第1週:7月27日0時~8月1日18時)
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