日本航空、国内線で「JAL SKY Wi-Fi」提供、7月23日から
日本航空(JL)は7月23日から、機内インテリアを一新した国内線用の新機材「JAL SKY NEXT」において、無線インターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」の提供を開始する。当面は羽田/伊丹、福岡、函館線の一部で提供する予定で、8月からは羽田/新千歳線の一部でもサービスを開始する。JLによると、日本で運航されている国内線の機内におけるインターネットサービスの提供は、今回が初めて。17日にはサービスの提供開始に先駆け、羽田/福岡線においてメディア向けの機上体験会を開催した。
JAL SKY NEXTは、機内インテリアに本革張りの座席やLED照明などを導入したもので、5月28日のボーイングB777-200型機による羽田/福岡線3便から導入を開始。今後は国内線の全77機を順次改修して導入路線を増やす予定で、8月にB777-300型機、9月にB767-300型機、10月にB737-800型機への導入を計画しているという。今年末までに30機、2016年度上半期までに全機に導入する計画。
7月23日から提供を開始するJAL SKY Wi-Fiは、米国ゴーゴー社の衛星接続サービスを利用したもので、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどを持つ利用客に、有料でインターネット接続を提供する。料金は、30分400円の時間制プランと、飛行距離と使用端末により500円から1200円までを支払い、フライト中は自由に利用できるプランの2種類がある。音楽やスポーツなどの映像コンテンツ、JTBパブリッシングによる観光地情報「SKYるるぶ」、フライトインフォメーションなど、JLが用意した機内エンターテインメントについては無料で提供する。
ゴーゴー社のシステムは、人工衛星を介し30MBps(理論値)の速度で、飛行中の航空機に通信サービスを提供するもの。JL顧客マーケティング本部商品サービス開発部企画グループマネジャーの藤島浩一郎氏は、JAL SKY Wi-Fiの使用感について、「地上の通信速度には追いつけないが、空中での通信手段としてはそれほどストレスを感じないと思う」と説明した。同じくグループマネジャーを務める末崎裕介氏は、今後は搭乗者への周知を進める一方で、ゴーゴー社との協働により通信速度などのサービス拡張を進めたい考えを示した。
本誌記者は体験会で、B777-200型機による羽田/福岡線のJL325便とJL332便に搭乗。フライト中は1便あたり1時間程度、インターネットに接続した。その際、機内から本稿のテキストと画像2点(各100KB程度)を送信したが、特段の支障なく作業を終えることができた。
なお、同サービスは限られた通信容量を多くの搭乗客で共用するため、アクセスが集中した場合にはつながりにくくなることがあるほか、気象状況や飛行ルートなどによっても影響を受けるという。なお、YouTubeなどの動画共有サイトは視聴できるが、動画のストリーミングサービス、Skypeなどの音声通話やビデオ通話などは利用できない。