夏の海外旅行、人数横ばい、台湾や東南ア人気-JTB調査

 ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した夏休み(2014年7月15日~8月31日)の旅行動向調査で、海外旅行人数は前年実績の推計から変化ない263万人の見込みとなった。方面別で韓国やタイが苦戦する一方、台湾や東南アジアが補う形で、平均費用も増加した。なお、経済の上向き傾向もあってか国内は旅行人数、費用ともに前年超え。特に人数は海外との合計予測値が0.2%増の7902万人となり、比較可能な2000年以降の調査では過去最高を更新した。

 海外旅行の方面別訪問者数の推計では、規模の大きな方面で韓国が0.9%減の34万2000人、タイが9.7%減の14万9000人、グアムとサイパンも4.6%減の14万6000人と苦戦。

 一方、台湾が7.1%増の18万1000人と好調であったほか、シンガポールが2.5%増の8万2000人、インドネシアが2.5%増の4万1000人、マレーシアが2.9%増の3万5000人とプラス推移。また、中国が2.9%増の32万1000人、香港が2.4%増の8万7000人となるなど回復傾向を示している。台湾や東南アジアの人気は、羽田増枠を含めた座席供給量の増加も一因との分析だ。


 出発日は、JTBのツアー予約状況では欧州など長距離は8月9日、ハワイや東南アジアなど中距離は8月15日、台湾やミクロネシアなど近場は8月16日が人気。円安や燃油サーチャージの値上がりにより平均費用が0.9%増の24万2600円となるなど旅行代金が上昇傾向にある中で、ピークシーズンを外して旅行に出る動きも少なくないという。

 このほか、今後の旅行支出に対する意向は「支出を増やしたい」と答えた人が4.1ポイント減の12.5%で、「減らしたい」人は5.5ポイント増の30.3%。「単価を減らし回数を増やす」が0.7ポイント減の12.6%、「単価を増やし回数を減らす」が0.2ポイント減の6.1%、「単価も回数も同程度」が0.3ポイント増の34.8%。

 一方、国内旅行を含めた旅行回数の意向は、1回が1.4ポイント減の73.8%であったのに対し、2回が0.9ポイント増の22.7%と増加。3回以上の回答者も増えており、2回以上の合計は1.4ポイント増の26.0%となった。この傾向は2011年以降続いており、2011年比では1回が8.6ポイント減、2回以上が8.6ポイント増となっている。

 また、同行者を聞いた質問では、「家族連れ」が2.6ポイント増の67.8%で最多。ただし、「夫婦のみ」と「三世代」は減少し、「中学生までの子供連れ」と「母娘などそれ以外の家族連れ」が増加している。このほか「友人・知人」、「一人旅」も増えている。

 なお、調査は6月4日から16日にかけて、全国200地点で15歳から79歳までの男女を対象に個別訪問調査を実施し、1200名のサンプルを収集したものだ。