豪州、食とワインで誘客強化、GK便で地方発に期待も-ATE14(2)

  • 2014年6月30日

▽タスマニア州、レストラン・オーストラリア「親和性高い」

タスマニア州政府観光局・ジョン・フィッツジェラルド氏(右)

 タスマニア州政府観光局は昨年7月に日本事務所を閉鎖して以降日本市場での活動が限られているが、これについて同局CEOのジョン・フィッツジェラルド氏は「もともと海外からの旅行者の市場自体が小さく、予算も少ない」とし、「タスマニアのみで旅行業界と共同でプロモーションを展開するよりも、メディア露出などによりタスマニアの認知や理解を向上することを選んだ」と意図を説明した。

 結果として日本人訪問者数は増え、「2013年は3400人から5500人になったと報告されている。調査のサンプル数が少ないため誤差はあるだろうが、増えていることは間違いない」という。

 またフィッツジェラルド氏は「レストラン・オーストラリア」について、ハイライトの一つであるガラディナーの開催地にタスマニア州が選ばれるなど、「非常に親和性の高い州」と自信を示す。

 気候がよく、地球で最も空気や水がきれいと評される同地の食材は日本市場でも高評価を得られているところだが、体験でもユニークなものが多い。例えば浅瀬にテーブルを設置し、自分で足元のオイスターを獲ってシャンパンと一緒に食べるようなものもあるという。

 このほか、ウィスキーも今年に入って2度、シングルモルトの世界一として認められていると紹介した。


▽南オーストラリア州、日本人7000人規模で安定-座席が2年で8割増

南オーストラリア州政府観光局・マイケル・シーリガー氏

南オーストラリア州政府観光局も日本での活動を停止しているところ。しかし、日本人訪問者数は往時の1万7000人から減少したもののほぼ7000人規模で安定して推移しているという。

 東半球担当シニアマネージャーのマイケル・シーリガー氏によると、7000名のうち約1000人が学生だ。日本市場で活動していた頃はシニア層が主要顧客であったが、現在はアデレードに学生として来ている日本人の祖父母が来る程度になった。

 また、シーリガー氏もタスマニア州同様、「レストラン・オーストラリア」と南オーストラリア州の相性の良さを強調し、「舌の肥えた日本の方々に南オーストラリアの高品質な食事体験は高い評価をいただけていた」と言及した。

 なお、海外からの旅行者受け入れ自体は全般的に好調で、訪問者数、宿泊数、観光収入ともに最高値を更新中。特にこの2年間で航空座席が約80%増となったことが大きいといい、例えばエミレーツ航空(EK)、エアアジアX(D7)、そしてキャセイパシフィック航空(CX)が供給座席を増加。こうした結果、訪問者数は中国からが46%増、マレーシアからが36%増となるなど大きく伸びている。