HISのAAA、成田/カンボジア2路線開設へ、新座席で出張需要5割
エイチ・アイ・エス(HIS)が2012年12月にタイで設立したアジア・アトランティック・エアラインズ(AAA/HB)は、成田/プノンペン/バンコク間と成田/シェムリアップ/バンコク間で定期チャーターの運航を計画している。プノンペンが9月3日からで週3便、シェムリアップが10月2日からで週4便。早期の定期便化、プノンペン線のデイリー化もめざすという。
今回の就航は、HISグループ代表の澤田秀雄氏が1月にカンボジアを訪問した際に、フン・セン首相らから要望が伝えられたことで検討を開始。AAAは2013年8月20日から成田/バンコク間で定期チャーターを開始して現在も運航しているほか、関空やソウルからバンコクへのチャーターを実施。しかし、昨年からの政情不安でバンコクへの需要が伸び悩んでいることもあって、カンボジア線の展開を決めた。
発表会見で澤田氏は、「アジアの国々はほぼ直行便が飛んでいるが、カンボジアにはなかった。カンボジアとの友好、経済の橋渡しとなる航空会社としていきたい」と意欲を語った。
AAA代表取締役社長のボビー・A・ハック氏によると、他社とのコードシェアなども念頭に定期便化をめざしており、すでにタイの航空当局には申請済み。使用機材は現行のボーイングB767-300ER型機だが、ビジネスクラスシートの刷新とプレミアムエコノミークラスの新設で、業務渡航需要の取り込みもねらう。
ビジネスクラスは現在18席でシートピッチは42インチだが、これを30席に増やす一方でシートピッチは60インチに拡大。シートはほぼフラットになるシェル型のもの。また、プレミアムエコノミーは37席で、エコノミーのシートピッチが30インチであるのに対して40インチに設定。
サービス面でも、これら2クラスはエンターテイメントシステム、アルコールを無料で提供する。このほか機内でのビザ発行についても、実現に向けてカンボジア政府と協議しているという。
販売戦略としては、カンボジア発の訪日需要もHISが現地拠点を開設するなど取り込みを強化するが、まずは日本で総座席の7割から8割を販売する。日本発需要の5割は業務渡航を見込むという。レジャーについても旅行会社各社に積極的に働きかけていく方針で、「HISの販売を他社の販売が上回るようにしたい」(ハック氏)考え。
なお、カンボジア線以外では、成田/バンコク間の定期チャーターは10月で終了するが、今後も日本とタイを含めた各国市場の多客期にチャーターで座席を供給していく。まずは夏に成田/バリ間や福岡/バリ間、関空/シェムリアップ間のチャーターを計画しているほか、東南アジア/中東間の案件も話が進んでいるという。