タイ観光庁総裁、政変「観光全てに影響ない」-外出禁止令の緩和も
タイ国政府観光庁(TAT)総裁のタワチャイ・アルンイク氏は5月27日付で、旅行業界向けのメッセージを発表した。メッセージでは、タイの観光産業については「政治的状況は国全体の観光全てに影響はないと確信している」点を強調。バンコクをはじめタイ全土の日常生活は「通常通り」とした。
観光関連のビジネスやサービス業については、夜間外出禁止令を順守するよう調整されているとしながらも、通常通り機能していると説明。また、バンコクとタイ全土の全空港、輸送システム、道路、鉄道、水上交通などの交通は、夜間外出禁止令にともない営業時間の調整はしているものの「通常通り機能している」とした。定期便やチャーター便も運航しており、乗客は24時間いつでも空港へ、または空港から移動できるという。
夜間外出禁止令については、国を統治している国家平和秩序評議会(NCPO)は「長く続かないと発表している」とし、「(旅行業界の)皆様とお客様がタイにお越しになることを心よりお待ちしております」と呼びかけた。夜間外出禁止令はNCPOが5月28日付で時刻を短縮する緩和措置をおこなっており、今までは午後10時から翌朝の午前5時までだったが、28日から午前1時から4時に短縮されている。
▽旅行会社の対応、ほとんど変更なし
旅行会社各社の対応を見ると、ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行に聞き取りをおこなったところ、各社とも通常通りツアーを催行しており、キャンセルなどの影響は軽微。取消料については、5月23日の聞き取り調査と同様、阪急交通社が6月22日まで、顧客からの問い合わせがあればキャンセル料なしで取り消す対応を継続しており、ジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行についても通常通りキャンセル料を収受する対応に変更はない。
一方、HISは夜間外出禁止令の緩和や現地の状況を踏まえ、通常通りキャンセル料を収受する対応に戻した。ただし、ツアーをキャンセルするのではなく多方面などに変更する場合は、キャンセル料は収受せず、ツアーの差額を返金、または徴収するとしている。