香川県の「ニュー観海」が破産開始決定、1933年創業の老舗旅館
東京商工リサーチ(TSR)によると、香川県小豆郡土庄町の宿泊施設「ニュー観海」が高松地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人は川東法律事務所の川東祥次弁護士が選任されている。負債総額は約1億8700万円。
ニュー観海は1933年創業の老舗旅館で、瀬戸大橋の開通で集客が増えた1989年6月期には売上高約7億円を記録。1990年には露天風呂付きの展望大浴場を設置するなどしたが瀬戸大橋人気が長続きせず、また1993年には近隣に大型ホテルが進出したこともあり競争が激化したという。
その後も、バブル崩壊などもあり業績が悪化し、2006年6月期には売上高2億8619万円、当期損失3024万円を計上。過去の大型投資が資金繰りにも影響を与え、地元取引先への支払いにも窮する状況となった。
2006年11月には、香川県中小企業再生支援協議会の指導により再生計画が策定され、営業権を他社に譲渡して同社は不動産売却後に清算することが決定。2007年6月30日の株主総会をもって解散し、2008年年1月29日に高松地裁より特別清算開始決定を受けていたが、債権者の同意が得られずに特別清算手続を断念し、破産開始決定を受けることとなった。