ホテル販売のIT活用、多様な販路の組み合わせを-WIT Japan
空き部屋賃貸サイトなど業界外からの脅威も
ITトレンドの積極的な取り込みが課題に
司会役を務めたサーコス・ブランド・カーマのCEO兼共同設立者のモーリス・シム氏は、業界内における新たなトレンドとして、個人が所有する空き部屋を旅行者に貸し出すインターネット上のプラットフォーム「Airbnb」(エアビーアンドビー)を紹介。「このような環境で競合するのは、我々にとって大きなインパクトがある。最終的にホテルに対して、どのような意味があるのか」と問いかけ、登壇者の意見を求めた。
パーキニー氏はエアビーアンドビーについて、「脅威であり、破壊的なパワーがある」と注目している旨を述べるとともに、「(同社の)評価額が110億ドルあるのなら、既に確立されたビジネスだと考えられる」との見方を示した。一方で、日本スターウッド・ホテルのマーケティングマネージャーを務める櫻井義大氏は、「脅威ではあるが、我々はコンシェルジュのいるフルサービスで差別化できる」と主張。「顧客満足度の点では脅威になるといえるが、全く違うセグメントだ」との見方を示した。
また、シム氏は現在の世界の人口の4割以上が24歳以下の「デジタル世代」であること、旅行者の半数以上が宿泊施設に関するレビューを投稿していることなどを説明した上で、今後はITのトレンドをいかに積極的に戦略に取り込むかが、ホテル販売の課題になると指摘した。
セッションの最後には各登壇者が、「好ましいITトレンド」として考えるものを列挙。「グーグル・マップ」や「フェイスブック」「AR(拡張現実)アプリ」などが挙がり、それらを引き取って櫻井氏は「モバイル機器であれフェイスブックであれ、サービスを個人化するもの」と表現した。また、シム氏は「アクセスできる全てのチャネルと、全てのテクノロジー」と答え、複数のツールの活用によって生まれる、新たな可能性に期待を示した。