JTB中部に観光庁が立入検査、元社員の遠足バスの手配ミス問題で
観光庁と中部運輸局は5月1日、JTB中部多治見支店の社員が岐阜県内の高校の遠足で使用するバスの手配ミスを隠すため、生徒を装った手紙を出し遠足の中止を画策した件で、JTB中部の本社営業所と多治見支店に立入検査を実施した。
観光庁によると、立入検査では取引の経緯や手配状況などについて関係者からヒアリングをおこなったほか、経緯が分かる書類などの提出も求めた。今後は旅行業法に違反するところはなかったのかについて、立入検査の結果をもとに検討を実施。処分や行政指導などの最終判断については「それほど遅くはせず、状況を見つつ」おこない、発表するとした。
一方、JTB中部では5月5日付けで「多治見支店の遠足行事手配に関するお詫び」と題した文書をウェブサイトに掲出。管理不行き届きにより遠足行事のバスが準備できなかったとし、学校の生徒、保護者、学校関係者に対し「お客様の大切な行事をお手伝いさせて頂く企業として、あってはならないことであり、心より反省し、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
また、元社員が、偽装工作をおこなったことで学校に対する偽計業務妨害容疑で逮捕されたと報告。今回の事件を重く受け止め、顧客や関係者からの信頼回復に向け、社員教育やルールの再徹底、管理体制の強化に努め、再発防止に全力で取り組むとした。
JTB中部では今回の事件の問い合わせ先として、JTB中部お客様相談室内に専用番号を設置。5月31日以降は通常のお客様相談室の番号で相談を受け付ける。