パラオ、新局長に日本人女性、観光行政も強化-14年は4万人へ

  • 2014年4月10日

パラオ政府観光局局長のナナエ・シンゲオ氏 パラオ政府観光局は3月4日、本局局長に日本人女性のナナエ・シンゲオ氏を任命した。4月8日に東京で開催した旅行業界向けセミナーで、シンゲオ氏は日本人の起用は現地側の期待の表れと紹介。2013年1月の大統領交代を機に観光行政を強化する動きも出ていると語り、日本からの送客増を訴えた。

 観光行政の強化では観光省が設立され、「持続可能なエコツーリズムの更なる確立」「旅行者の安全確保」「海など自然環境の保護」を政策の柱とすることも決定。例えば旅行者の安全については、マリンアクティビティでのライフジャケット着用などこれまで監督が十分でなかった分野で施策を展開し、より安心して楽しめるデスティネーションとしていく考えだ。

 また、不足しているホテルのキャパシティも、国家プロジェクトとして拡充をめざす計画。まずは法律などの調整から着手するが、今年前半には大型ホテル2軒の開業が予定されるほか、既存ホテルでも改装による客室増の計画が進められているという。

 なお、2014年の日本人旅行者の目標は4万人に設定。2013年は日本航空(JL)のチャーター便が中止になったことなどもあって前年を下回ったものの3万5642人で、2008年比では18.7%増。独立前の1980年には2894人であったところからすると、12倍以上拡大している。

 セミナーでは目標達成に向け、パラオ政府観光局からは2012年に世界遺産登録されたロックアイランドなどの情報をアピールし、特にロックアイランドが世界でも珍しい自然と文化の複合遺産である点を強調。また、航空会社2社とサプライヤー11社がプレゼンテーションも実施した。