エアアジア、15年に「日本に戻る」-首都圏にLCC空港を要望
エアアジアグループは、2015年に日本国内線市場に参入する計画だ。同グループCEOのトニー・フェルナンデス氏は、4月10日に開催された新経済連盟主催の「新経済サミット2014」において「(日本市場に)2015年にパートナーを見つけて上陸する」考えを表明した。
フェルナンデス氏は、日本はLCC文化を受け入れる準備ができているとの見方を示した。エアアジアX(D7)の日本路線でも乗客の約6割から7割が日本人。羽田、関空、中部/クアラルンプール線も「今回(の渡航)では満席で予約が取れなかった」ほど好調だという。今後は「エアアジア・ジャパンをできるだけ近い将来日本に持ってきたい。2015年に向けて、バニラやピーチを食べて準備をしていきたい」と話した。
エアアジア(AK)は2011年、全日空(NH)と共同出資会社としてエアアジア・ジャパンを設立。しかし、2013年6月に共同事業の解消を発表し、エアアジアブランドでの運航は同年10月31日で終了した。
フェルナンデス氏はNHとのパートナーシップについて「キャプテンが2人いたのが問題。意思決定が難しく、各人が各人のアイディアを持っていた」ことが成功しなかった要因の1つと説明。そもそも他国では航空会社以外とのパートナーシップを結んでいるとし、日本での新パートナーは航空会社以外で「(航空業界に)変革を起こしていこう、という強い決意を持ち、エネルギーにあふれて強さを持った」企業を探しているという。
日本国内線のハブ空港は明言を避けたが、日本の路線網については、首都圏や大阪などの需要が高い空港発着と地方空港発着の混在を考えているという。フェルナンデス氏は「日本で空港があるのは東京や大阪だけではない」とし、仙台や神戸、名古屋など様々な空港があると指摘。「新路線を開拓し、トラフィックを呼び込めるよう、色々な空港の力をお借りしたい」と語った。具体的には、東京近郊の空港として茨城空港の活用も示唆。茨城空港と懇談の場を設ける予定とした。
さらに、フェルナンデス氏は首都圏の需要の高さに触れ「東京にLCC専用の空港を作って欲しい」と要望。政府に対し、訪日外国人増加に向けた取り組みは進んでいるが「忘れがちなのは空港で、目を向けていない。(航空機が)着陸できないと観光客は訪れないということを気づいて欲しい」と語った。
既存の2空港については、混雑しておりLCCにとってはコストが高いと課題を指摘。「LCCターミナルを備えることで観光業界も盛り上がる」とし、首都圏内にLCC専用の新しい空港の建設を提案した。成田空港は2014年度末にLCC専用ターミナルの完成を予定しているが、「成田で何とかしようというのは無理」との考えだ。