オランダとフランダース、3年間共同マーケティング継続
オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局は、日本市場におけるマーケティング・アライアンスを今後も継続することで合意した。両観光局のアライアンスは日本市場独自の取り組みで、2011年2月に協力体制を締結。3年にわたって、共同でマーケティング活動をおこなってきた。オランダ政府観光局本局マネージングディレクターのヨス・フランケン氏は「共同プロモーションは、両政府の観光予算が限られているなか効率的に進められてきた」とこれまでの活動を高く評価した。
2015年末の政府予算編成によって状況が変わる可能性はあるが、両観光局は今後さらに3年間にわたって共同でマーケティングを継続していく計画。ベルギー・フランダース政府観光局本局CEOのペーター・デ・ウィルデ氏は「状況が変わっても日本市場への関心が高いことに変わりはなく、日本への投資は続けていくだろう」と話し、ロングホール市場で日本は重要なマーケットとの認識を示した。
2012年の実績では、オランダへの日本渡航者数は14万2500人。ロングホール市場では米国についで第2位だ。一時は減少傾向にあったものの、フランケン氏によるとKLMオランダ航空(KL)の福岡/アムステルダム線就航もあり、過去2年は増加に転じているという。一方、ブリュッセルを含むフランダース・エリアへは約10万2000人の日本人が訪れた。今後の見通しについて、フランケン氏は「今後数年、増加傾向は続いてくだろう」と話す。一方、ウィルデ氏は「ヨーロッパ平均よりも高い伸び率で推移していくのではないか」との見立てだ。
今後のマーケティング活動については、旅行会社、消費者双方に対して啓蒙活動を続けていき、新しい観光素材を積極的に紹介していく方針。また、FAMツアーや各主要都市でのセミナーも継続していく。ウィルデ氏は「消費者のニーズを知ることが重要。それに合わせて日本向けのプロダクトを紹介していきたい」と意気込みを語った。また、KLとのパートナーシップも同じく継続するとともに、羽田からのヨーロッパ線も拡充されたことから、ターゲットを明確にしながら地方でのプロモーションも強化していきたい考えだ。
このほか、ヨーロッパ市場の課題である冬の需要喚起について、フランケン氏はアムステルダムの街が照明で彩られる「ライト・フェスティバル」を紹介。また、ウィルデ氏は比較的観光客が少ない冬期のブルージュで開催されるイルミネーションを勧めた。また、若年層に対しては、それぞれの強みであるデザイン、建築、ファション、スポーツなど観光素材以外のプロダクトを訴求していく必要があるとの考えだ。