中部、14年度国際線旅客は470万人以上に-新ターミナルは検討継続

  • 2014年4月1日

 中部国際空港は3月30日、2014年度経営計画を発表した。開港10周年を迎える2014年度は「将来を見据えた新たな成長ステージに移行する年」と位置づけ、国際拠点空港としての量的、質的成長を目標に、利用者や航空会社にとって更に安全で利便性の高い空港をめざしていく方針だ。

 3月31日の会見で、中部国際空港代表取締役副社長の伊藤鎭樹氏は13年度の国際線の動向を振り返り、中国、韓国の需要が落ち込んだ一方、台湾や香港の需要の戻りや東南アジアのビザ緩和による訪日客の増加などがプラスにはたらき、12年比0.4%減の447万人になったと説明。14年度は夏ダイヤでセブパシフィック航空(5J)のマニラ線などの新規就航や増便、訪日需要の増加などを見込み、470万人を超える見通しを示した。国内線についても13年度以上を予想する。14年度は8つの重要施策を設定し、目標達成をめざすとした。

 重要施策では、空港運用の効率化と既存施設の最大限の活用をはかり、空港機能の更なる強化に取り組む。具体的には、バスゲートの段階的な拡張を実施。現在国際線、国内線共に3つずつゲートを有しているが、夏ダイヤの増便により、朝などの混雑時間帯は現行のままでは対応しきれないため。国際線バスゲートは現在未使用のバスラウンジ棟に移動し、最終的には6ゲートまで拡大する計画。4月からは4ゲートで展開していく。国内線バスゲートについては、移転後空いた国際線バスゲートの3ゲート分を国内線に転用。夏スケジュールは4ゲートで対応する考えで現在調整中だという。

 また、南側地区整備計画で計画していた駐機スポットについて、供用開始への準備を進めていく。3スポットを2015年2月から供用を開始する予定で、給油施設の設備を整備中とした。

 一方、当初計画していた新ターミナルについては、市場動向を注視し、機能や規模、整備時期などを検討を引き続きおこなっていく考え。具体的なスケジュールや新ターミナルの内容については現時点では未定だ。伊藤氏は「空港は使う航空会社があってのもの」とし、航空会社の需要をさぐるとともに、業界環境を見据えて適正な機能のターミナルを建設するよう、日々勉強していくと語った。

 また、重要施策では地域一体となった路線ネットワークの拡充と需要開拓にも引き続き取り組む。地域と共同で路線誘致と需要開拓の相乗効果を発揮できる施策を推進し、就航路線の安定需要の確保をはかるとともに、新規就航に向けた誘致活動も実施。また、アジア路線の供給増を活用し、中部9県の「昇龍道」で訪日外客の誘致に取り組んでいく。

 さらに、2014年度は開港10周年を迎えることから、これを節目とした新しい空港の賑わいや魅力の創出、CS世界NO.1へのおもてなしの更なる深化もはかるとした。免税店南館の増床や、おみやげ館の初リニューアルを実施し、買い物目的など乗客以外の利用者の増加をめざす。さらに、訪日ムスリム旅行者の受入環境の整備も実施。制限エリア内に礼拝室を1室増やす。

 このほか、安全、安全の確保、貨物ネットワークの利便性向上と新規開拓、経営基盤の強化、地域との連携と環境経営の推進、2本目となる滑走路整備の着実な推進をおこなっていく。