香港、「食」に焦点で底上げへ、14年は120万人目標
香港政府観光局(HKTB)は2014年以降、プロモーションのテーマとして「食」を強化していく。HKTB日本局長の堀和典氏は3月31日、業界メディアの取材に対し「ショートホールのデスティネーションはピンポイントの目的で(消費者が)動く」と指摘。30代、40代のOLをコアターゲットとし、必ず食べるべき「マストイート」をアピールするなど分かりやすく食の魅力を伝え、特にファーストタイマーの獲得に繋げるねらいだ。
2013年の日本人旅行者数は15.7%減の105万7033人と大きく減少。しかし、10月からの3ヶ月間は平均で約9%の伸びを示し、2014年に入ってからも、1月は旧正月の影響で6.7%減となったが2月は13.0%増となっている。
2014年は通年で2桁の伸びをめざし、合計で120万人への回復を目標として掲げる。香港では現在、リピーターが全体の6割近くを占めているが、この層は外的要因の影響を受けにくい。一方、ファーストタイマーの減少が昨年9月までの低迷の主因となっていることから、海外旅行は経験済みで香港は行ったことがない、あるいは長期間行っていない人に対して、食で「より具体的な理由付け」を進める。
香港には夜景やアクティビティなど他の魅力もあるが、例えば夜景は「観て満足して一度きり」であるのに対し、食はリピーターにもアピールが可能との考え。
今後は、HKTBとして展開するすべての活動で食をテーマとして採用。テレビや雑誌、ポータルサイトなど各種メディアと連携し、ミシュランの星付きレストランの数やB級グルメの充実などに焦点を当て、例えばランキング形式など伝わりやすい情報発信に注力する。