アクセスランキング、1位はKNT-CT統合効果、ドコモ旅行事業も

[総評] 今週は、上位2位を旅行会社の記事が占めました。通常の傾向では航空関連の話題に興味を持っていただくことが非常に多く、単に航空系の大きなニュースがなかったことも要因かもしれませんが、とてもめずらしいケースではないかと感じています。

 さて、1位ですがKNT-CTホールディングスの海外旅行の戦略をお伝えした記事が入りました。旧近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの統合から約1年の振り返りと2014年の方針を書いたもので、幅広い方々にお読みいただけたように思います。

 ホリデイに関しては、近畿日本ツーリスト個人旅行の岡本邦夫社長自ら取材にご対応いただき、色々とお話しをお聞きすることができました。

 その中身の範囲が広範であったため、記事にはあまり反映できていませんが、例えば上期商品、下期商品と6ヶ月間も同じ商品を事業の基盤とすることへの疑問や、そもそもパンフレットを作ることのメリットとデメリットなど、多様な角度の視点をお示しいただき、大変興味深い内容でした。できれば、折を見てご紹介したいと考えています。

 次に2位ですが、NTTドコモが第1種旅行業登録を取得し、「dトラベル」の展開を開始した記事がランクインしました。ジェイティービー(JTB)との提携によるものとはいえ他業界からの参入は目を引くもので、ましてそれがNTTドコモともなれば、巨大な「黒船」のような印象を受けても不思議ではありません。

 2位に併記したインタビューの中では、利用者の利便性や満足度を向上するためにラインナップに旅行を加えるという意図と携帯通信事業者としての意図、いわゆるマーケットイン、プロダクトアウト双方のねらいが示されています。ここで気になるのはやはり後者で、旅行業の世界からでは思いもつかないようなアプローチが今後出てくるのではないか、そんな気がしています。

 先ほど触れた岡本氏のお話しもそうですし、あるいは日本旅行業協会(JATA)がJATA経営フォーラム2014のテーマに据えた「新しい価値創造への挑戦」(リンク)もそうですが、これからは目の前の「常識」を疑うことがより重要になっていくでしょう。

 慣れているから、これが一番効率が良いから、他の手段は弊害があるから、など今がベストであると思い込んでしまうことは、業界全体が上り調子であれば良いかもしれませんが、こうした環境では「ジリ貧」でしょう。

 旅行業界側の論理、常識は今後ますます通用しなくなっていくように思います。これは何も旅行業界に限った話ではないでしょう。自らの好むと好まざるとに関わらず周囲が変化していく、そうした中で何を信じ、どのように行動していくかが問われます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年2月第4週:2月23日0時~2月28日19時)
第1位
KNT-CT、統合シナジー着実に-団体・個人とも「基礎固め」(14/02/25)

第2位
dトラベルが第1種取得、国内造成へ-ピーアール強化も(14/02/23)
インタビュー:NTTドコモ スマートライフビジネス本部 倉田泰氏(14/02/27)

第3位
発着枠不足がボトルネック、数年内にLCC概念消失-牛場氏予測(14/02/27)

第4位
主要57社、13年通期の海外旅行は1.7%減、後半は回復基調(14/02/25)

第5位
エジプト航空、大阪支店閉鎖を決定、予約など東京に移管(14/02/25)

第6位
オーストリア、オープンスカイで合意-羽田深夜早朝も(14/02/23)

第7位
ANAセとリクルート、新会社「ANAじゃらんパック」-14年夏から(14/02/24)

第8位
カタール航空、ドーハ/ロンドンに全席ビジネスA319-1日6便目(14/02/24)

第9位
旅行の検索、スマートフォンがPC上回る、旅行業界は対応を-グーグル陳内氏(14/02/27)

第10位
アシアナ、テーマ商品や以遠など新施策、旅行会社との協調重視(14/02/24)