ピーチ、需要創出は順調-14年は沖縄拠点化、東南アジア検討も
14年は沖縄第2拠点化
東南アジア路線の検討も
2014年の計画として、井上氏は沖縄を第2拠点化し、路線の更なる拡充をはかる方針を発表。沖縄には数機程度駐機し、関空では就航できない路線を沖縄でカバーしていく考えだ。
同氏は「これから東南アジアなど(の訪日)がどんどん良くなってきている。その需要をキャッチするためにはもう1つ作るしかない」と、沖縄拠点化の意図を説明。MMは空港から4時間圏内を就航地として決めており、例えば沖縄/ベトナムに就航可能とした。なお、タイは同社のエアバスA320型機の就航範囲内だが、4時間半かかってしまうことから「飛行機は飛べる」とコメントするにとどめた。
また、グアムやサイパンについては、訪日需要が少ないことから「優先順位は劣後すると考えている」という。井上氏は「もともと最初に(全日空(NH)の)アジア戦略室に選ばれ、当時の山本社長に、アジアの需要を取り込め、つまりインバウンドを取り込めと言われた。それを忠実にやっているだけ」と語った。
なお、中国本土については航空交渉待ちと説明。ただし「市場は他にあるし、中国にこだわってもしょうがない。やれるところはやる」との考えだ。
旅行会社との協業、コスト面で課題
既存の発想にとらわれない形で関係構築を
今後の販売戦略については、現状通り、ウェブサイトでの直販を中心に展開していく考え。現在95%がウェブサイト経由で、旅行会社と提携したパッケージツアーの提供などをはおこなっていない。井上氏は「コストがかかるため、従来型での旅行会社とのお付き合いは避けている」と説明。コストがかかると運賃が上がってしまい潜在需要が食いついてこないとし、「旅行会社側から提案があり、弊社のコストがかからなければ」検討したいと述べた。ダイナミックパッケージもコスト面からおこなわないという。
同氏は「既存の概念にとらわれないサービスをおこなうことで、旅行会社との関係も構築できるのでは、という予感はする」と語った。例えばMMでは関空と沖縄の専用ターミナルで、スマートフォンを活用し映画、ドラマ、ニュース、音楽などのコンテンツを提供する機内専用アプリ「high!」を提供中。まもなく全線にサービスを拡大する予定だ。
井上氏は、high!を提供することで、機内エンターテイメントサービスがなくても見ることができるとし、旅行会社とも「スマホを活用すれば何かできるのでは、という発想がある。単純にこれまでの延長で物を考えず、別の角度でやればいいのでは」とした。