アクセスランキング、羽田/ドイツ線が1位、新航空会社も

[総評] 今週のアクセスランキングは、全日空(NH)とルフトハンザ・ドイツ航空(LH)による羽田/ドイツ線就航の記事が1位になりました。先週もNHの羽田線が1位でしたので、引き続き注目の高さが実感されます。

 NHは先週の発表で、羽田空港における11枠の昼間時間帯発着枠をすべて使用する一方で、成田路線は運休・減便、または運航スケジュールを変更して対応する方針を示していました。中国線の詳細は未定ですが、これまでに明らかになったところで目を引くのは、今週発表されたドイツ線を含めて、欧州線はほぼ羽田にシフトすることです。

 現在、成田空港でNHが欧州方面で自社運航するのはロンドン、パリ、フランクフルト、ミュンヘンですが、これら既存4路線の中で2014年夏ダイヤに運航を継続するのは、コードシェアパートナーのいないパリのみとなります。ミュンヘン線の運航区間の変更という形でデュッセルドルフ線に就航しますが、これについては単独路線であるため、利便性の低い成田でも需要が見込めるのでしょう。

 ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、スイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)、オーストリア航空(OS)とのジョイントベンチャー(共同事業)で各社とのコードシェアは継続するわけですが、成田空港の方が利便性が高いという旅行者にとってはNHのプロダクト、サービスで渡欧する機会が減少することになります。もちろん勝算があっての判断で間違いないはずですが、果たしてどのような算段なのか、旅行会社への影響も分野ですしお話をお聞きしていこうと思います。

 旅行会社との関係という意味では、今週は新しい航空会社に関する話題も複数掲載しており、こちらも今後が気になっています。主にLCCですが、7位はチャイナエアライン(CI)とタイガーエア(TR)が「タイガーエア台湾」を設立するという内容で、10位では春秋航空日本が国土交通省から航空運送事業の許可を取得しました。また、ランク外でもノックエア(DD)とスクート(TZ)がバンコク拠点の「ノックスクート」を設立するという記事も配信しているところです(リンク)。

 例えばノックスクートについては、日本/タイ間の市場規模を考えれば日本への就航をめざす可能性は極めて高いと考えられ、その際には就航当初から旅行会社重視の姿勢を打ち出しているTZの姿勢が反映される可能性もあるでしょう。タイガーエア台湾も日本への乗り入れをめざすと言い切って良いのではないかと思います。

 羽田の昼間時間帯で長距離国際線が就航可能となり、NHのようなシフトが起きることもあれば、その分利用可能となる成田の発着枠を有効に使おうとする航空会社が出てくることも十分にあり得ます。こうした環境下で、航空会社各社がどのような姿勢で日本市場に臨むのか、旅行業界誌としてお伝えしていきたいと考えております。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年12月第週:12月15日0時~12月20日18時)
第1位
全日空とルフトハンザ、羽田線発表、成田/デュッセルドルフも(13/12/18)

第2位
HIS、売上高・営利など過去最高、13年10月期-今期も増収見込み(13/12/15)

第3位
エジプト、渡航情報一部引き下げ-ツアー再開の会社も(13/12/17)

第4位
ジェットアジア、GSAにギャランツアー、定期便化めざす(13/12/20)

第5位
成田・関空・中部、PSFCなど値上げ、消費増税に合わせ(13/12/15)

第6位
航空局長、LCCは「良いスタート」-来年も各国との航空関係強化(13/12/16)
羽田傾斜配分は「ぎりぎりの判断」-航空局長、透明性は今後勉強(13/12/16)

第7位
チャイナエアラインとタイガーエア、LCC設立-14年末就航予定(13/12/16)

第8位
JTB、神戸の新ホテルと単独販売契約、「ケーニヒスクローネ神戸」(13/12/17)

第9位
全日空とガルーダが包括提携、羽田線など共同運航、マイルも(13/12/19)

第10位
春秋航空日本、航空運送事業の許可取得-5月に国内線就航へ(13/12/18)