上昇一途、クルーズ市場に迫る(1) 大阪でシンポジウム

 「クルーズ産業の経済波及効果と企業のビジネスチャンス拡大」をテーマにしたシンポジウムがこのほど、大阪市中央区の大阪商工会議所で開かれた。シンポジウムは関西経済連合会、大阪港クルーズ客船誘致推進会議、神戸市客船誘致協議会の主催。約200人が参加した。

 高まる市場への期待感

 はじめに国土交通省港湾局の高田昌行産業港湾局長が「クルーズ振興を通じた観光立国の実現に向けて」と題して講演した。

 高田局長は2012年のクルーズ人口のうち外航クルーズが12万人、国内クルーズが9万6千人で合計21万7千人、前年比で16.2%増えたと報告。「大手の外国クルーズ船社運航による日本発着外航クルーズの実施や超円高効果による外航クルーズの割安感などから約10年ぶりに20万人を超えた」と述べた。

 13年から日本を起点に運航を始めたプリンセスクルーズを販売するカーニバル・ジャパンの児島得正営業部長は「関西のクルーズマーケットの可能性」をテーマに講演。起点港で食材など様々な物資を調達する客船は大きな経済効果をもたらすことを紹介した。

 14年に日本市場へ投入するダイヤモンドプリンセスでは、300室の客室のトイレにウォシュレットを備え、食事のコーナーには寿司店、大浴場も新設するなど日本人向けの仕様を施した。これは日本市場への期待感からで、児島さんは「28年には関西だけで18万人のクルーズのお客様を集めることができると思っている」との見通しを示した。

 

情報提供:トラベルニュース社