HISの年末年始海外旅行、前年超え-チャーターで仕入強化も
エイチ・アイ・エス(HIS)は12月5日、年末年始(2013年12月20日~2014年1月3日)の海外旅行動向を発表した。HIS経営企画室によると、今年の年末年始は最大9連休と日並びが良いこともあり、現時点の海外旅行の予約状況は過去最高であった昨年を上回る推移をしているという。
今年は日並びの良さから混雑を予想した顧客による早期予約の傾向が出ており、6ヶ月前までに予約した顧客は前年比67%増、3ヶ月前までは20%増となった。滞在日数も増加しており、たとえばハワイでは6日間の滞在が多いが、昨年よりも7日間、8日間と長期で滞在する旅行者の比率が高まった。
また、各渡航先でデラックスホテルに宿泊する旅行者が増加。HISでは景況感を反映していると見ており、平均単価は10%増になったという。
方面別では長距離方面が増加しており、欧洲は11%増と好調に推移。欧米豪のランキングではパリが1位、ロンドンが3位、ローマが5位となった。こうした定番の人気都市以外にも、スペインが34%増と増加したほか、オーロラなどで注目が集まる北欧も2桁増となった。また、人気渡航先ランキングの総合ではホノルルが2年連続で1位を記録した。
アジア方面では、韓国が4%増、中国が9%増と回復傾向にあり、ソウルは2011年並みまでは回復していないものの、渡航先ランキングのアジアシティで1位、総合で2位と根強い人気。また、台湾は28%増、タイは25%増と好調に推移。総合でも3位が台北、4位がバンコクだった。
予約の伸び率を見ると、中長距離方面を中心に増加しており、予約者数500名以上の渡航先では、国・エリア別でスペインが1位となり、マレーシア(33%増)、台湾(28%増)、タイ(26%増)、カンボジア(26%増)と続いた。都市別では、1位がコタキナバルで107%増。チャイナエアライン(CI)で中部/コタキナバル間の1機単独チャーターを2本実施したことが追い風となった。2位はシドニー(43%増)で、3位はマドリード(38%増)、4位はラスベガス(38%増)、5位はシェムリアップ(30%増)となった。
人気出発日は、1位が12月28日で、以下12月29日、30日、27日、26日と続き、年内の出発に人気が集まった。その一方、日本で元旦を迎えてから海外旅行に出発する旅行者も多く、1月1日出発では台湾が51%増、ハワイが11%増、サイパンが29%増となった。
HISでは、今後駆け込み需要の取り込みをはかり、チャーターの活用や、座席に余裕があるデスティネーションへの誘導をおこなっていく。今年は前年より3割チャーターを増やし、仕入を強化。例えば年末出発の大韓航空(KE)チャーター便を活用した羽田発ハワイのツアーにはまだ空きがあるとし、「まだ間に合う年末年始出発の旅」として打ち出していく。このほか、アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)でも年末年始の臨時便を設定した。
また、座席を確保できたデスティネーションは宿泊施設と組み合わせて順次商品化して顧客の誘導をはかっており、12月5日には1月1日出発のサイパン5日間のツアーを発売した。