JTB、ジェットスターJをダイナミックパッケージで販売
i.JTBは10月24日から、同社が運営する「るるぶトラベル」でジェットスター・ジャパン(GK)を利用したダイナミックパッケージツアー(DP)の販売を開始した。ジェイティービー(JTB)とジェットスター(JQ)グループの販売提携によるもので、JTBによると、日本国内でLCCを利用したDPはこれが初めて。11月7日に開催した会見で、i.JTB代表取締役社長の今井敏行氏は「今までの既存顧客に加え、新しい需要の開拓に寄与していきたい」と意気込みを示した。
今井氏によると、2010年6月にDP「るるぶトラベルツアー」を開始以来、売上高は11年度は前年比350%増、12年度は100%増と増加。13年度は20%増と伸び率が減少したが、下期は70%から100%増と好調に推移している。13年度はるるぶトラベルサイト全体で国内売上高800億円を目標にしており、このうち10%をDPの売上としたい考えだが、「今のところ若干届かないのが現状」だとした。また、15年度までの目標は国内売上高1400億円で、DPの比率を20%まで比率を高めたいとしており、今回LCCと提携し、顧客により低価格な旅行商品を提供することで、新規需要の創出と販売の拡大をねらう。
JQグループとDPで提携をした理由については、直販をメインとするLCCが多い中「JQグループははじめから旅行会社の販売力に期待していた」(今井氏)ため。また、キャンセル料などの条件が整ったことも理由の1つだ。DPは募集型企画旅行のため旅行の前日から起算して21日前までは取消料が無料となる。LCCはキャンセル料が即日発生することが多いため、今回提携にあたりJQ側と取り決めをおこなった。今後も「契約条件が整い、旅行会社の販売力を期待するLCCがあれば一緒にやりたい」考えだ。
JTBとJQグループは、2012年6月からエースJTBのパッケージツアーで提携しており、2013年7月から9月では北海道が55%増、沖縄が80%増と好調。今井氏によると、通常JTBを利用する顧客層よりも若く小規模なグループが利用しているという。今回DPを開始することで、GKのセール時などを顧客が予約した場合はより安価な代金で旅行ができることをメリットに、更なる需要開拓をめざす。同氏によると、例えば11月5日から6日に東京/大阪間でDPを利用する場合、GKを利用すると約1万1300円安くなる場合があるという。
一方、JQでCCOを務めるデイビッド・コスカー氏は「JTBは(総合旅行会社として)日本国内で初めてDPを開始しており、パイオニアとして強い力を持っている」と提携の理由を説明。「JTBは日本市場でとても重要なパートナーと認識している」とし、「DPは長期的に見ても拡大していくだろう」との考えから販売に力を入れていきたいとした。今後もJTBを含む旅行会社との関係は重要視していく考えで、旅行者の好みに合った多様な販売チャネルの確立をはかっていく。
今回の提携により、るるぶトラベルでGKが運航する国内13路線に12月就航予定の成田/高松線を加えた14路線と、るるぶトラベル宿泊契約施設の全国約16万軒の宿泊プラン及びレンタカーを自由に組み合わせできるようになる。
なお、JQの海外路線のDPでの取り扱いについては現在検討中。今井氏は、JTBウェブサイトの海外航空券サイトのうち90%の予約が航空会社のPEX運賃で、DPの利用は少ないと説明。「いずれ必要な時代がくるだろう」としながらも、「今後需給のバランスを見ながら検討していきたいが、具体的なスケジュールまでは考えていない」と述べた。
なお、るるぶトラベルでは今回の取り扱い開始を記念したセールを開催。11月7日から13日の間の予約で、るるぶトラベルツアーポイントを3000ポイント付与する。対象は11月25日から2014年1月31日までの出発日で、12月20日から1月13日の出発日は対象外とした。