トップインタビュー:成田国際空港代表取締役社長の夏目誠氏
「選ばれる空港」めざし攻めの姿勢、LCCへの取り組み強化
-今年3月末からオープンスカイが始まりました。その効果はいかがでしょうか
夏目 現在までのところ20ヶ国3地域とオープンスカイで合意している(編集部注:2013年9月3日現在)。12年の国際線発着総旅客数のうちオープンスカイ合意国の割合は74.4%という状況だ。この夏ダイヤでは9月26日からのトランスアジア航空(GE)の週7便も含め、前年比で週100便増加している。オープンスカイの効果だろう。
成田としては、オープンスカイはチャンスだと捉えている。今年4月からは空港使用料の引き下げ、国際線着陸料の増量割引インセンティブなどを実施しているが、今後もニーズをとらえたマーケティングを通じて航空会社や路線の誘致をはかっていく考えだ。
-空港経営において行政に期待するところをお聞かせください
夏目 今年6月14日に閣議決定された日本再興戦略では、首都圏空港の容量拡大、内際乗り継ぎ強化、アクセス向上などが盛り込まれた。国際拠点空港のインフラ整備は、日本の国際競争力強化のために必要不可欠だ。また、観光立国に向けた取り組みも進められており、2016年度までにアウトバウンドで2000万人、インバウンドで1800万人をめざしている。
成田はこうした取り組みを進めていく上で欠くことのできない社会公共インフラだ。引き続き、国とも密接に連携をとりながら空港経営を進めていきたい。
-最後に、今後の航空業界ついてお考えをお聞かせください
夏目 アジアの航空輸送量は今後20年間で年6.6%伸びると予測されている。アジアは航空業界の成長を牽引していく市場だろう。日本発着の路線も堅調なアジアの航空需要を取り込みながら伸びていくと思う。
航空業界は絶えずイベントリスクにさらされている。LCCの台頭、アライアンス間の競争激化、再編統合の動きなど、競争環境はさらに激化していくと思う。そうした中で、成田としては使い勝手のいい「選ばれる空港」の実現に向けて一層の経営努力が必要になってくるだろう。
-ありがとうございました