マレーシア航空、成田/コタキナバル線再開へ、地方需要に期待も
マレーシア航空(MH)は、10月28日から成田/コタキナバル線を週3便で再開することに伴い、10月3日にイベント「コタキ・ナイト」を開催した。イベントで登壇した、MH北アジア&北米地区代表統括副社長のロスラン・イスマイル氏は、路線の再開に喜びを示すとともに、参加した旅行会社に更なる販売への協力を訴えた。
同氏によると、MHは今年2月にワンワールド・アライアンスに加盟したことで「パートナーである日本航空(JL)の国内便を利用し、成田経由で日本国内からマレーシアへ便利にアクセスできるようになった」という。MHによると、全国31都市から成田発着と同料金でマレーシアを訪問することが可能。地方発の利便性が高まったことで、地方発需要の取り込みも期待できるとの考えだ。
今後は業界向けイベントや10月28日の初便を活用した研修ツアーで、旅行会社にアプローチを実施し、販売促進と商品造成へとつなげていく。また、10月28日から14年3月末まで、コタキナバル線の子ども料金を半額に割り引くことで、ファミリー層などもねらう。さらに、消費者向けとしてテレビCMの放映も実施中だ。
また、イベントでは日本旅行業協会(JATA)事務局長の越智良典氏が登壇し、2012年からマレーシア政府観光局と共同で実施中の「マレーシア100万人プロジェクト」について言及した。マレーシアへの日本人渡航者数は、12年は前年比21%増の約47万人、13年上半期は16%増の約25万人で、「この調子で行けば(今年は)50数万人はいくが、100万人達成には時間がかかる」との見通しだ。越智氏は「旅行会社の皆様にはコタキナバル線を売っていただき、週3便をデイリーにし、関空線を復活し、どんどん日本の便を増やしていだきたい」と呼びかけた。
マレーシア観光局マーケティングマネージャーの徳永誠氏も「業界の悲願であったコタキナバル直行便が復活した」と喜びを示すとともに、「0からではなくマイナスからのスタート。リカバリーキャンペーンが必要」と旅行会社に協力を求めた。同氏によると、サバ州への日本人観光客は他地域に比べFITが多いことから、パッケージツアーの造成を促していく。14年は「ジャランジャランマレーシア」を展開し、コタキナバルとクチンの街歩きをアピール。今まで日本にあまり紹介されたこなかった地域を全面に押し出していきたいとした。
例えば、コタキナバルではロングステイを求める旅行者を中心に、街歩きを楽しむケースが増えてきているとし、ショッピングやスパ、屋台の楽しみ、語学スクールなどの都市滞在をアピールすることで需要の掘り起こしをねらう。また、クチンではエスニック文化やクチンラクサなどの食、街の歴史などを説明。こうした取り組みで、都市を周遊する都市滞在型ツアーをアピールしていくとした。
なお、成田/コタキナバル線の詳細なスケジュールは下記の通り。
▽MH 成田/コタキナバル便 運航スケジュール(10月28日~)
MH081便 NRT 14時55分発/BKI 20時05分着(月、木、土)
MH080便 BKI 07時25分発/NRT 14時00分着(月、木、土)