九州は14年度も“熱い” 大阪で7県の魅力売り込む
九州観光推進機構は9月10日、2014年度上期に向けた観光素材説明会を大阪市内のホテルで開いた。旅行会社を対象に、九州7県の最新情報を届けたほか、九州全域で取り組む「ひな祭り」、同機構が推進する着地型ユニット商品「九州結旅(ゆいたび)」などをアピールした。
説明会は「九州はひとつ」を掲げて同機構が上期、下期の年2回開催。旅行会社に商品化を促すもので、大阪以外にも東京や北海道など各地で行っている。
九州観光推進機構では現在、九州に乗り入れる航空会社14社と共同で「空行け!九州」キャンペーンを展開しているほか、九州各地にゆかりの地が点在する黒田官兵衛を描く14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」、JR九州が10月から運行を始めるクルーズトレイン「ななつ星in九州」などを追い風に次年度の九州観光を盛り上げる意向だ。
説明会の冒頭にあいさつした九州観光推進機構の原田弘司・国内誘致推進部長は「観光を九州の基幹産業にするのが我々の目標です。平成23年度は過去最高の延べ泊で3608万人に来訪いただいた。ぜひ商品化いただき、よりご協力をたまわりたい」と話した。
来賓として出席したJATA関西事務局の藤永大助事務局長は「今年は伊勢に1千万人、出雲に350万人が来訪する見込みで遷宮関連がたいへん注目されています。TDRも30周年で2900万人を見込んでいます。ただ来年は、こうした地域の特需から300-500万人の市場が浮くことになります。それをどう九州へひっぱっていくかが旅行会社にとってもカギになります」と、九州観光の拡大へ双方の奮起を促した。
同機構がブランド化を進める「九州結旅」は、テーマ性のある周遊コースを作成し旅行会社が商品化に直結できるようパッケージ化している。今年度から設定した。
14年度上期の結旅は「日出る国々のスピリチャルロード」として、鹿児島県の大隈半島から宮崎県の日南海岸、青島などをエリアとしている。乗り捨て料が無料のレンタカー、特典が豊富なクーポンブックなどを用意し、旅行会社のバウチャー券の提示で旅行者に様々なメリットを供与するという仕組み。今年度の結旅は「神々と出会う旅」として大分県の由布院、宮崎県の高千穂などを対象とし、複数の旅行会社がツアーに採用している。
原田部長は「素材を提案するだけでなく、九州が持つ物語を商品の形で落とし込みました。そのまま旅行商品として取り扱っていただけるよう、事細かな設定を行っています。ぜひ採用いただき、結旅を広めていきたい」と話していた。
九州各県からの情報提供のうち「軍師官兵衛」関連では、官兵衛が築いた大分県の中津城、佐賀県の名護屋城、福岡県の福岡城をPR。それぞれガイドによるまち歩きなども設定し、ゆかりの地ツアーの受け入れを整えている。また観光列車王国として鉄道の旅を紹介した。ななつ星の運転開始に伴い阿蘇駅ホームにレストランができるほか、鹿児島市内の市電の貸切利用をアピール。
そのほか、来年やまなみハイウェイ開通50周年を迎える大分県、東九州自動車の整備が進みアクセスが向上する宮崎県、「ひかりと祈り光福の街」と題して夜景見学ツアーを始めた長崎県などについても担当者がプレゼンテーションを行っていた。
なお、先月に大噴火した桜島について、鹿児島県の担当者は「通常観光にはまったく問題がありません」と強調した。
情報提供:トラベルニュース社