キャセイ、増便に意欲、羽田にはラウンジ-日本発も回復傾向
キャセイパシフィック航空(CX)日本支社長のクラレンス・タイ氏は9月30日に開催した記者懇談会の場で、日本路線、特に成田と羽田について「増便したいという意欲は常にある」と語った。需要に応じてという前置きはあるものの、現在は海外からの訪日旅行需要が好調で、日本路線全体として旅客数、ロードファクター、収益ともに前年を上回る水準で推移しているという。
CXの日本路線は、尖閣問題の影響を受けて昨年から需要が落ち込んでいたが、海外発は円安もあって大きく伸びているところ。訪日チャーター便も今年に入って80本運航したという。日本発については苦戦が続いているが、今年4月頃から徐々に回復傾向が見えているといい、特にFIT旅客については1月から8月までで前年比28%増と増加している。
こうした市場環境の中、CXでは福岡線で使用機材をエアバスA320型機からA330型機に大型化するほか、香港ドラゴン航空(KA)も2014年夏スケジュールで沖縄線を週2便から週4便に倍増。首都圏路線については、現状でも1日あたり成田に5便、羽田に2便設定しており、決定した供給量増の計画はない状況。しかし、タイ氏は「羽田も合意はないが、可能ならば増便したい」と語り、日本の航空交渉の行方を見守る姿勢だ。
羽田については、上級クラス用のラウンジ開設も決定。2014年6月の稼働を予定しており、床面積は991平方メートル。場所は国際線出発サテライトの6階で、200席以上を設置してヌードルバーなども用意する。このほか、各路線でサービスの拡充も継続しており、8月からはプレミアムエコノミークラスを日本路線にも投入。CX営業本部長のニック・ヘイズ氏によると、顧客から良い評価を得られているという。
なお、日本発の需要については、現在香港と以遠とでほぼ半分の割合だが、以遠路線の需要が高まっているところ。例えば、今年1月に就航したヤンゴン線は業務渡航を中心に日本発の需要を取り込めているという。今後は10月27日からのマーレ、10月29日からのシェムリアップなどの販売も強化。マーレ線については、就航記念キャンペーンも予定している。
一方、香港への需要喚起も継続し、香港政府観光局(HKTB)との「香港スタイル」を引き続き実施。また、リッツ・カールトンと共同で、ビジネスクラスでの香港往復2名分に相当する10万アジア・マイルと、ザ・リッツ・カールトン香港のプレミア・エグゼクティブ・スイートでの2泊などを組み合わせた「最上級のオトナごほうび旅」をプレゼントするキャンペーンも展開。キャセイホリデージャパンでも連動企画として「セレブな香港」ツアーに特典を用意する。
さらに、CXとして10月1日から6日までの限定で、成田、関空、中部の場合エコノミークラスを2万5000円からとする特別運賃も販売する。