国内観光の新たな潮流探る じゃらん宿泊旅行調査(1) 若年男性のニーズ捉え

 リクルートライスタイル・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、「じゃらん宿泊旅行調査2013」の結果を発表した。2012年4月-13年3月の宿泊旅行実施率は前年度比1.8%減の55.8%、延べ宿泊旅行者泊数も同2.3%減の約2億3445万人泊。歯止めがかからない国内旅行市場の縮小にどう対処すればいいのか。カギは「震災後の旅行者のマインドの変化を読み解く」ことにありそうだ。

震災後の変化に着目

 このカギは、同センター副センター長の横山幸代さんが8月28日に大阪市内で開いた観光振興セミナーで語った言葉。「震災後の変化を日々感じています」と話し、今回の調査では震災後の旅行動向を追い、観光の新たな潮流を捉えようと分析を進めた。

 まずは量的変化。旅行した人の割合を示す旅行実施率の減少に反し、平均実施回数は2.71回で前年より微増。旅行する人としない人の2極化が進んでいるようだ。しかし1回あたりの宿泊数(1.61泊)の微減も響き、延べ宿泊旅行者泊数は前年から542万人泊が失われた。

 実施率の低下について性・年代別の面から深掘りしてみる。すべての年代で低下しているが、目立つのは20-34歳の若年層で、特に男性は最大の4.4%減。この年代は震災直後、国の呼びかけにも応じ、いち早く旅行需要を押し上げた「意気に感じる」世代だ。旅行の新しいスタイルを築き、家族も築いていく世代でもある。横山さんは「この世代のニーズに応えることが大切」と仮説を立てる。


情報提供:トラベルニュース社