観光庁、訪日向け免税対象拡大を要望-手続き簡素化も
観光庁は2014年度の税制改正で、外国人旅行者向け消費税免税制度の対象品目の拡大と、手続きの簡素化を要望した。現在免税対象から除外されている食品類、飲料類、薬品類、化粧品類、たばこの免税をめざす。外国人旅行者の旅行消費の増加と、ショッピングの利便性向上をはかる考えだ。
観光庁によると、2012年の調査で外国人旅行者が日本に訪問した際実施した活動の第2位はショッピング。また、2012年の外国人旅行消費額は前年比33.5%増の1兆861億円と増加しており、このうち3割がショッピングだったことから、外国人旅行者のショッピングへのニーズの高さがうかがえるという。
一方で、外国人旅行者が日本で購入する物品のうち購入率が上位5位内の食品類、飲料類、薬品類、化粧品類は現在免税対象外。今回免税対象に含むことで、消費の拡大をねらう。ただし、購入者が国内で消費する可能性もあるため、免税方式の見直しも必要との考えで、観光庁では「(欧州などの)還付方式とは別の、何らかの確認方法を検討する」としている。
また、免税手続きの簡素化では、免税申請書類の様式の見直しや、小売現場でのIT化に対応した様式の変更などを要求。現在、免税手続書類では手書きで購入物品の型番や数を記入する店舗が多く、店頭での手続きが長引いてしまうことがあるため、例えばレシートの添付で代用可能にするなど提案していく方針だ。
このほか、税制改正要望ではホテルや旅館の建物にかかる固定資産評価の見直しについても要求する。これは2012年度の税制改正で、ホテルや旅館の固定資産評価の見直しは総務省で実施中の実態調査などを踏まえ、2015年度の評価替えで対応する、としていることに基づくもの。ホテルや旅館は短期間で施設や設備が劣化する点や、顧客ニーズに合わなくなった建物は経過年数が短くても除去されるような現状を踏まえ、固定資産評価に関わる経過年数の基準を実態にあった形に引き下げたい考えだ。
例えば、鉄筋鉄骨コンクリート造、鉄筋コンクリート増は現在50年となっているが、これを35年から50年未満の間に引き下げたいとした。