外務省、エジプト全土の渡航情報「可能な限り早期退避検討」に引き上げ

  • 2013年8月19日

 外務省は8月17日付で、エジプト全土への渡航情報を「渡航の延期をお勧めします。」から「渡航の延期をお勧めします。(滞在中の方は事情が許す限り早期の退避を検討してください)」に引き上げた。

 エジプトではムルスィー氏支持母体のムスリム同胞団らによる抗議デモと軍や警察との衝突が続いており、8月14日朝にはカイロ市内で座り込みをしていたムルスィー氏支持派と軍・警察の間で激しい衝突が起こり、15日夜までに638名が死亡。これにより、エジプト大統領府は14日16時から1ヶ月間、エジプト全土に非常事態宣言を発出し、カイロを含む14県で19時から翌朝6時までの外出禁止令を発出した。

 さらに、8月16日には全国各地での大規模デモと治安部隊との衝突が発生し、173人が死亡。在留邦人が多く居住するカイロのザマレック地区やマーディ地区でも発砲や衝突が発生しているという。

 こうした状況を踏まえ、外務省は渡航情報を引き上げ、「今後、この地域への渡航や滞在を予定している方は、どのような目的であれ渡航を延期されることをお勧めします」と呼びかけた。やむを得ない理由で渡航、滞在する場合は、不測の事態に巻き込まれないよう在エジプト日本大使館のウェブサイトや報道などから最新情報の入手に努めるとともに、緊急時の連絡先などを必ず日本大使館に連絡するよう訴えた。また、夜間外出禁止時間は外出せず、それ以外の時間帯も極力外出を控えて自宅など安全な場所に退避し、やむを得ず外出する場合は単独行動を避けて適切な安全対策を講じるようにとしている。