現地レポート:オーストリア、音楽や食などテーマにモノツアー造成へ
文化や自然をじっくり堪能
モノで楽しむオーストリアの魅力
ハンガリーやチェコなど、中欧3ヶ国から5ヶ国の周遊プランに組み込まれることが多いオーストリア。周遊プランでウィーンとザルツブルクを駆け足で観光する旅行商品が数多く造成されている。近年インスブルックでの夏季ロングステイ商品がヒットしているが、旅行会社にとっては依然としてモノデスティネーションではないという認識あるのが実情だろう。しかし、オーストリアは足早に立ち去るにはもったいないほどの魅力にあふれている。ケルンテン州で開催されたトレードショー「Austria Travel Business・experience(atb Experience)」とそのプレツアーでじっくりオーストリアを体験した。
atbで体験型素材を紹介
ザルツブルク、初心者も楽しめる音楽体験を
オーストリアで毎年開催されるatbだが、今年はそれに「experience」という単語がつき、体験に主眼をおいた旅行業界イベントとなった。イベント開催に合わせおこなわれたプレツアーではザルツブルク、ウィーンをめぐり、atbのプログラムではシュタイアーマルク州などへのエクスカーションに参加。日本マーケットにはまだあまりなじみのない素材を体験した。
プレツアーで訪問したザルツブルクはいわずと知れた音楽の都。モーツァルトの住んだ家やミラベル宮殿の庭園などサウンドオブミュージックの舞台をめぐる事が可能だ。どちらも世界的に有名なため音楽好き以外にもよく知られており、新鮮な感動をもって見学することができるだろう。
夜のアクティビティとしてはミュージカルやコンサートを盛り込むが、人気があるためチケットがとりにくく、そこまで音楽に興味のない旅行者にとっては長すぎるといった問題もある。そこでおすすめしたいのが、「モーツァルトディナーコンサート」だ。ディナーつきのコンサートだが3幕からなり、「ドン・ジョバンニ」「フィガロの結婚」「魔笛」といったモーツァルトの代表作でも特に有名な舞台作品の中から象徴的な部分を抜き出して演奏される。
会場は現存するレストランとしてはヨーロッパ最古というシュテフツケラー・ザンクト・ペーター・レストランのバロックホールで、18世紀当時の衣装に身を包んだ楽団と歌手が登場しとても豪華だ。3コースの料理は幕の合間に1コースずつ運ばれてくるが、それも18世紀のレシピで作られており、モーツァルトの時代を体験することができる非常にユニークなコンサートである。特に服装の規定は設けられていないようだが、きちんとした身なりで行くほうが気分が盛り上がるだろう。