ベトナム、羽田昼間可能に-JLとVNが就航意欲
日本とベトナムの航空当局間協議が6月11日から12日東京で開催され、早ければ2014年3月末に、羽田空港の昼間時間帯での路線開設を可能にすることで合意した。これは、羽田の昼間の国際線発着枠が3万回から6万回に増加することに合わせたもの。日本とベトナム双方が、1日1便、2スロットずつを獲得できる。昼間時間帯の6万回化で路線開設が可能となるのは、ベトナムで7ヶ国目。
日本とベトナムの航空関係では、2011年6月の航空当局間協議で、羽田の深夜早朝時間帯の余剰枠を利用した就航が可能になっている。国土交通省航空局航空交渉室によると、今回の合意により昼間時間帯の発着に加え、例えば出発は昼間時間帯、到着は深夜早朝時間帯、といった組み合わせも可能だという。
今回の合意を受け、日本航空(JL)広報部は、羽田/ホーチミン線またはハノイ線について「是非運航したいと考えている」とコメント。「権益の配分を航空局にお願いしている」と述べた。一方、全日空(NH)も、羽田/ベトナム線について「業務渡航を中心にニーズがあればご利用いただけると考えている」とし、「チャンスがあれば開設をめざしていく」(広報室)と前向きな姿勢をみせた。
また、ベトナム航空(VN)は「来年の夏ダイヤ開始時からなるかは不明だが、(羽田線開設を)やる意思は十分ある」と意欲を示した。深夜早朝時間帯については、11年の合意時点で、すでに羽田の再国際化後であり適切な時間帯の発着枠の確保が困難だったことなどから、就航を見合わせていた。しかし、今回の合意の結果で「状況が変わった。様子見というわけにはいかない」とし、羽田発ハノイ、またはホーチミン線を開設する予定とした。
一方、現在就航中の成田線については「大きく変更は考えてはいない」が、機材繰りの関係での変更や、就航先の変更の可能性はあるかもしれないという。VNでは成田と羽田を「首都圏」と捉え、2空港合わせた路線計画を展開。たとえば羽田/ハノイ線を開設した場合、現在の成田/ハノイ線を成田/ダナン線にする、といった可能性もあるとした。
なお、現在日本/ベトナム間は、2013年3月31日の夏期スケジュール期首時点で、日本側ではJLが成田/ハノイ、ホーチミンをそれぞれデイリーで、NHが成田/ホーチミンをデイリーで運航。ベトナム側ではVNが成田/ハノイ線をデイリーで、ホーチミン線を週12便で、関空/ハノイ、ホーチミン線をそれぞれデイリーで、中部/ハノイ線を週5便、ホーチミン線を週3便で、福岡/ハノイ、ホーチミン線をそれぞれ週2便で運航している。