HIS、2Qの売上、利益とも過去最高-海外発好調

  • 2013年6月9日

 エイチ・アイ・エス(HIS)の2013年10月期第2四半期(2012年11月1日~2013年4月30日)の連結業績で、売上高(※総額)は前年比11.6%増の2246億3300万円、営業利益は20.2%増の60億5600万円となった。経常利益も21.9%増の78億4700万円、純利益も13.1%増の46億8100万円と増加し、全項目で過去最高を記録した。HISによると、アジアを中心にした海外での事業展開や、ハウステンボスとHISグループ全体のシナジー効果をはかったことなどが奏功したという。

 旅行事業では、売上高は4.1%増の2007億700万円と増加したが、営業利益は27.3%減の36億4100万円と減少。急速な為替変動による対応の遅れや、領土問題で中国や韓国の需要が減少したことなどが響いた。

 HIS代表取締役社長の平林朗氏によると、2月から4月は為替変動の影響を受け、第2四半期でおよそ20億円の影響があった。現在は為替変動を踏まえた商品造成を実施しており、「日々の(為替の)動きは1週間から2週間で対応できる」という。旅行代金については、影響を受けるのは外貨で仕入れているホテルなどの素材で、全体の約2割程度とし「(消費者には)そこまで影響を感じられないのでは」と語った。

 方面別では、中国、韓国の減少が響き、海外旅行全体の6割を占めるアジアが落ち込んだ。第2四半期の中国、韓国は前年比30%減で、特にレジャーは50%減まで減少。現在も回復しきっておらず、20%減で推移しているという。

 一方、ハワイやアメリカ、ヨーロッパは好調に推移。平林氏は「ハワイやグアムなど身近で手頃なデスティネーションでは、中国の代替デスティネーションとして伸びたのでは」という。近距離のアジアより代金の高い方面が好調だったことで、人数ベースでは減少したが、売上高は増加となった。

次ページ>>>>海外事業は好調、現地発強化も