JTBとドコモが提携で基本合意、下期から旅行サービス提供へ
ジェイティービー(JTB)とエヌ・ティ・ティ・ドコモ(ドコモ)はこのほど、新たな旅行関連サービスの共同での提供について検討することで基本合意した。JTBの旅行事業での商品力と運営ノウハウ、ドコモの顧客基盤と行動支援型サービスを活用し、2013年度下期からドコモの「dマーケット」で新サービスを提供する計画だ。
5月31日に開催した決算会見で、JTB代表取締役社長の田川博己氏は、JTBの持つ旅行商品や情報などを「総合的に展開する場所は、JTBの中で簡単には作れない。組めるところがあればしっかり組む」と提携の意図を説明。「(JTBの)旅行のコンテンツをしっかりと配信する場所を作ることが、ウェブの中では大切」とし、ドコモとの協業によるシナジー効果に期待を示した。
田川氏は、ウェブを成長事業と捉えて集中的に投資をしていると説明。楽天トラベルやリクルートなど先行他社がいるなか、リクルートのじゃらんnetやエクスペディアなど「従来競合だった会社と組むことで、新しい流れを作っていく。ドコモとの協業もそういう形」とした。
サービスは、JTBの旅行商品をドコモのスマートフォンで購入できるようにするもので、宿泊施設の情報だけでなく周辺の観光情報やテーマに沿った旅行プランもまとめて表示。宿泊施設や観光、グルメの情報を含めた旅行計画をより簡単に立てられるようになると想定しているという。
また、「ドコモ地図ナビ」などの行動支援型サービスと連携することで観光地の情報提供や目的地への案内などもおこない、モバイルの特性を活用。旅行前から旅行中まで利用できる「旅行の総合サポートサービス」の実現をめざす。
詳細なサービス内容などは今後詰めていく予定だが、まずは国内旅行に関するコンテンツを提供。将来的には海外旅行についても手がけていきたい考えだ。
また、ドコモでは今回の合意に伴い、旅行業登録をおこなう方針。6月に開催する株主総会で定款変更の承認を経て、準備を進めていくとした。