JAL、B767で新座席、12月の成田/バンクーバー線から-東南アジア導入も
日本航空(JL)は国際線ボーイングB767-300ER型機で、全クラスの座席を一新する。「スカイスイート767」として、12月の成田/バンクーバー線を皮切りに、14年度にかけて長距離東南アジア線やホノルル線などに導入していく計画だ。5月30日の定例会見で、JL代表取締役社長の植木義晴氏は「ワンクラス上の最高品質をテーマに、ビジネス、エコノミークラスともに居住性、機能性、サービス性を大きく進化させた」と自信を示した。
すでにJLは全クラスのシートを刷新したB777-300ER型機「スカイスイート777」を成田/ロンドン線、ニューヨーク線で導入済みだ。植木氏によると両路線とも好評で、とくにエコノミークラスについては2路線ともに就航以来の平均搭乗率が90%を上回っているという。消費者からは東南アジアやホノルル線の座席も新しくしてほしいという要望があり、同方面の路線で多く活用しているB767-300ER型機に新座席を導入することになったという。
スカイスイート767はビジネスクラス24席、エコノミークラス175席の計199席。ビジネスクラスは1-2-1のシート配列で、全座席から乗客が通路にアクセスできるように配慮した。シートはフルフラットシートで、ベッドの長さは最大200センチ、幅は最大52センチ。従来比1.5倍にあたる、15.4インチの大型タッチパネル式モニターを備え、全シートにユニバーサルPC電源とUSBポートを設置した。
エコノミークラスはシートピッチを現在の79センチから、84センチから86センチへと拡大。シートのスリム化と合わせ、足元のスペースを最大で約10センチ拡大した。座席幅は約45センチで、個人モニターは10.6インチ。USBポートを全シートに装備し、ユニバーサルPC電源も設けた。
B767-300ER型機の新座席導入機材は9機となる計画だ。また、植木氏によると、現在B777-300ER型機は4機あるが、今後導入する機材を合わせると13機まで増加する予定。両機材の導入が終了すれば、国際中長距離国際線のほとんどのビジネスクラスにフルフラットシート、または、6月1日に羽田/シンガポール線で運航を再開するB787などで導入している170度のライフラットシートに変わる見込みだという。