KNT-CT、統合後の滑り出し順調-個人旅行、製販一体強化
KNT-CTホールディングスは5月21日、メディア向け懇親会を開催した。登壇した同社代表取締役社長の戸川和良氏は、旧近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが統合後の2013年12月期第1四半期(2013年1月1日~3月31日)の実績を振り返り「赤字だったが、当初予算を上回る形で業績を残せた」と喜びを述べた。通期では営業利益44億円、当期純利益15億円を目標としているが「(予算を)達成できるだろう、というスタートがきれた」との考えだ。
今後は「いろいろなシナジーを出し、(旧近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの)両社のいいところを重ねて新しいビジネスモデルを創出していきたい」と意欲を示した。まずは「統合の中で一番大きな課題」であるという、個人旅行事業の根本的な改革を実施していく。具体的には、3月末に近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)で有楽町に「テーマ旅行サロン」と「SIT旅行企画センター」を設立しており、今後消費者に対し、製販一体型の新店舗としてアピールしていくという。
KNT個人代表取締役社長でクラブツーリズム代表取締役社長の岡本邦夫氏も「ネットでの直予約もあるが、我々が持っている企画力を生かせる場はある」とし、KNT個人として同型店舗を増やしていくとした。今後は人材育成事業として積極的に実地研修をおこない、商品造成や店舗でのコンサルティング能力の強化をはかる。
KNT個人常務取締役旅行事業本部本部長の田口久喜氏も、同店舗の販売状況はウエディングやクルーズなどを中心に「順調に進んでいる」と説明。今後は大阪や名古屋、東京の山手線沿線に店舗を設立していく予定だという。
また、岡本氏はクラブツーリズムとの統合について、始めたばかりで数字的な効果はまだとしながらも「会社としてうまく融和できるようになってきている」と説明。現在、クラブツーリズムの商品をKNT個人販売などの各店舗で販売しているが、今後はクラブツーリズムの会員に対し、例えば3世代旅行をおこなう際などにホリデイやメイトを利用するなど、販売面でのシナジーもはかるとした。