ハワイ、MICE強化で新方針-窓口一元化し、新体制で活動開始

  • 2013年4月24日

HTAヴァイス・プレジデントMICEグループ担当に就任したブライアン A. リンクス氏 ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)はMICEをベースビジネスとして位置づけ、全世界的な活動を強化する。ハワイ・ビジターズ・コンベンション・ビューロー(HVCB)やハワイコンベンションセンター(HCC)など、これまで分散していたハワイのMICE窓口をHTAに統一し、MICEグループ担当のヴァイス・プレジデント職も新設。新体制で「MEET HAWAII」のブランドを掲げ、ビジネス旅行の施行地としての訴求を高めていく。HTAがMICEのタグラインを定め、全世界的なピーアールを行なうのは初めてのこと。
 
 HTAヴァイス・プレジデントMICEグループ担当に就任したブライアン・リンクス氏は弊社インタビューに対し、MICEをベースビジネスとして強化する理由を、「旅行マーケットにはトレンドや閑散期があり、レジャーに全ての比重を置くのではなく、MICEも強化する必要がある」と説明。リスクヘッジによる需要の安定化をはかる考えを示した。特に隣島への送客を「新しいビジネスチャンス」と呼びかけ、全訪問者に占めるMICE比率を現在の10%~15%より10%程度引き上げる方針だ。
 
 特に取り組みを強化するのは、MICEデスティネーションとしてのハワイの認知浸透。ハワイのMICE情報を発信するウェブサイト「MEET HAWAII.com」を立ち上げたほか、PR会社を契約して全世界的に「MEET HAWAII」のメッセージを発信。ブランディング広告キャンペーンも実施する。一方で各市場にはシニアセールス担当を置き、地域の特性、ニーズに合わせたアプローチを行なう。日本ではハワイ州観光局(HTJ)のMICE担当セールスチームが、旅行会社向けのサポート施策を展開する。


▽隣島MICEでハワイ州観光局親善大使のパーティ登場のサポートも

HTJシニア・ディレクター・オブ・セールスの寺本竜太氏 HTAとHTJは新方針の説明を兼ねて、4月24日に東京で旅行会社対象にしたランチ・レセプションを全世界に先駆けて開催。来日したHTAヴァイス・プレジデント・ブランドマネジメントのデイビット内山氏やMICE担当のリンクス氏が参加したほか、HTJのMICE担当となるシニア・ディレクター・オブ・セールスの寺本竜太氏が、日本市場におけるMICE体制とサポートを説明した。

 まず、ハワイコンベンションセンター日本事務所の業務が3月31日に終了し、4月1日からHTJが日本でのセールスを担当することを説明。また、販促サポートとして新たに、隣島に延べ300泊以上する一定条件を満たしたMICEには、トレジャーハントやゴルフトーナメントなどのイベント開催、ハワイ州観光局ビューティ観光親善大使の道端ジェシカさん、またはロマンス親善大使の吉川ひなのさんのサプライズ登場などを、ハワイ側の負担で実施することも発表。申請されたなかから選定した案件のみとなるが、「少なくとも5組はサポートする」という。

 今年のインセンティブでの日本人訪問者数は、前年が震災の影響で自粛していた影響があるものの、1月が前年比461%増の9067人、2月が233%増の2506人と大幅に増加。3月も同様に拡充しているという。寺本氏は今後、4月から6月、9月から11月の閑散期を中心にサポートを行なっていく方針を明言した。