12年度の出国者数、4.3%増の1829万人-訪日は871万人に

 日本政府観光局(JNTO)による出入国者数の取りまとめで、2012年度(2012年4月1日~2013年3月31日、2月と3月は速報値)の出国者数は前年比4.3%増の1828万9513人となった。2012年夏に尖閣・竹島問題で近距離アジアへの需要が減退したため、2012年通年の1849万638人は下回った。ただし、東日本大震災の発生した2011年3月を含む2011年度との比較では20.8%増となっている。

 3月単月では12年比4.9%減、11年比15.3%増の165万2000人。2ヶ月連続の前年割れだが、2月の9.3%減よりも減少幅が小さくなった。

 一方、訪日外客数は12年度比36.5%増の871万1467人で、2011年度比も4.4%増。2012年通年の836万7872人も上回った。3月単月も12年比26.3%増の85万7000人で、これまで3月としては過去最高であった2008年の73万1619人を上回るとともに、初の80万人台に。通年単月でも2010年7月の87万8582人に次ぐ2位となった。

 JNTOによると、3月の好調さは桜シーズンの訪日需要拡大や円安傾向、東南アジア市場の成長、震災の影響による手控えの緩和などが背景にあるという。市場別では中国とインドを除く東アジアと東南アジアを中心に2桁の伸びを示し、韓国、台湾、香港、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、豪州、ロシアが3月の過去最高を更新した。

 特に3月としては韓国が20万人台、香港が5万人台に達したほか、インドネシアも初の1万人台となった。また、台湾は旧正月の影響があった今年1月を除いて12年7月から毎月過去最高を記録しており、タイも12ヶ月連続での過去最高更新となった。