福井、芦原温泉の老舗旅館「開花亭」が事業停止に
東京商工リサーチ(TSR)によると、福井県芦原温泉の温泉旅館「開花亭」が4月1日付で事業を停止した。事後の処理は弁護士の青山正喜氏が担当する。
同旅館は明治末創業で、1924年に法人化。客室数は46室で、昭和天皇や文人墨客の宿泊先として知られる高級老舗旅館だった。1997年1月期と1998年1月期は年商7億円だったが、その後景気低迷による個人消費の冷え込みや、芦原温泉自体の集客力低下などの影響で客足が鈍り、業績も後退。2011年の東日本大震災が利用者の減少に加速をかけ、2012年1月期の売上は約2億円まで減少していた。
加えて、2012年3月には食中毒事件が発生するなどイメージも低下。TSRによると、最近は実質経営者の体調不良などで事業継続が困難となったことから、今回の事業停止に至ったという見通しだ。担当弁護士の青山氏によると、事業継続の有無を含め、今後の方向性は未定だという。