成田、2月の国際線旅客数11%増、近距離方面が好調
成田国際空港の2013年2月の利用実績(速報値)で、国際線旅客数は前年比2%増の232万484人となった。このうち、日本人旅客数は尖閣問題の影響などで中国路線の乗客減少が響き、6%減の128万8975人と減少したが、外国人旅客数は今年の春節が2月にあったことや円安が奏功し、18%増の59万4281人と増加した。通過客は10%増の43万7228人だった。国際線発着回数は2%減の1万1343回となった。
2月は昨年がうるう年であったため、今年は昨年より1日少ない。この影響を除くために日割換算した場合では、国際線旅客数は前年比6%増、日本人旅客数は2%減、外国人旅客数は22%増、通過客は14%増となった。国際線発着回数は0.5%減だった。
NAAによると、国際線は尖閣問題の影響が続いており、2月の中国線の出国旅客数は17%減、旅客便のキャンセルは計画値の3.6%である67回だった。3月23日までの速報値では、旅客数は23%減、旅客便キャンセルは4.0%の61回となっている。一方、韓国についてはほぼ回復したという。
また、ボーイングB787型機の運航停止による影響では、2月は予定していた発着回数387回のうち113回が欠航になり、キャンセル率は29.1%となった。3月については23日までの速報値で、341回中106回が欠航。キャンセル率は31.1%となり、2月と同じ状況が続いているという。
NAA代表取締役社長の夏目誠氏は3月28日に開催した記者会見で、B787型機の運航停止により、成田の夏期スケジュールで欠航や一部新規路線開設の延期が起きていると説明。ボーイングが米連邦航空局(FAA)からB787型機改善計画について承認を受けたことに触れ、「運航再開に向けた動向については当社としても注視しており、事態が早期に終息することを期待している」と述べた。
なお、国際線方面別旅客数の詳細は下記の通り。
▽国際線方面別旅客数 2月(方面/前年比/人数)
太平洋/3%増/29万1300人
アジア/8%増/27万5200人
中国/13%減/10万2900人
欧州/3%増/15万3700人
韓国/7%減/10万6600人
台湾/6%減/6万5700人
香港/5%減/6万700人
オセアニア/9%増/4万9400人
グアム/2%増/6万3700人
アフリカ/※※/1700人
※通過客を含む
※※アフリカはエジプト航空(MS)が2011年2月8日から2012年4月15日まで運休していた