関空、13年夏は週712便、尖閣影響も「高い伸び維持」
関西国際空港の2013年夏スケジュールの国際線定期便運航計画で、ピーク時の旅客便週間便数は前年実績比で4便減の712便となった。新関西国際空港常務取締役の室谷正裕氏によると、減少は中国本土への路線が尖閣問題の影響から24便減となったことが大きいといい、10年の594便、11年の581便と比較して「引き続き高い伸びを維持している」との見方を示した。
期間中の新規路線の開設や増便としては、ピーチ・アビエーション(MM)が9月に釜山線に週7便で就航する予定であるほか、シンガポール航空(SQ)がシンガポール線を週11便から週14便に増便。また、チャイナエアライン(CI)も高雄線を週2便から週5便とする計画だ。
2011年までの便数が500便台であったところから700便を超える規模に拡大した大きな要因の一つはMMの就航で、MMの国際線は釜山への就航で4路線となり、便数は49便となる。また、MMを含めたLCCのネットワークは8社11都市となり、便数は127便。関空ではLCCの比率を25%に高める目標を掲げているが13年夏は約18%で、室谷氏は目標達成に自信を示し、「引き続き路線誘致に努める」と語った。
なお、3月30日までの2012年の冬スケジュールでは、計画便数がピーク時で709便であったのに対し681便に留まった。これも尖閣問題の影響が大きいという。ただし、開港以来の最高値であることは変わりなく、欧州経済の不安を背景に計画便数に達しなかった下回った貨物便を含めた実績は809便で、初めて800便を超えている。
また、尖閣の影響自体も、中国南方航空(CZ)が17便減としている一方、中国国際航空(CA)と中国東方航空(MU)は便数を維持。室谷氏によると、「ビジネスと個人旅行者を中心に回復しつつある」という。