富士山世界遺産登録を確信 静岡県がアピール
静岡県が大阪市内で交流会と観光商談会を相次いで開いた。富士山の世界文化遺産登録が6月下旬に認定される見通しで、文化としての富士山をアピールした。
観光商談会は2月6日に大阪市内のホテルであった。富士山の世界遺産登録への動きは2005年から県内市町村や山梨県とともに始まった。自然遺産ではなく、信仰と芸術の対象としての文化遺産登録を目指す。
信仰は、16世紀ごろから富士山を仏の世界に見立て登られ、各地で富士講が組まれるようになった。山麓には富士山本宮浅間神社など多数の寺社仏閣があり、景勝地の白糸の滝は水行の場でもある。芸術では、三保の松原が奈良時代から有名な富士山ビュースポットになっている。
現在、ユネスコの諮問機関イコモスが審査を行っており、5月に「記載」「情報照会」「記載延期」「不記載」の勧告を行い、6月の世界遺産委員会で決まる。静岡県世界遺産推進課の松本稔章さんは「富士山は静岡県のものでも山梨県のものでもありません。日本人の心の中にあるものです。世界遺産登録を確信しています」と話した。
交流会は2月5日、韓国総領事の李賢主さん、奈良県知事の荒井正吾さん、静岡県対外関係補佐官の東郷和彦さんが東アジアと関西、静岡の歴史的な交流を話し合った。
3人は、百済の時代から日韓が親密な関係にあったとし、荒井さんは「アミニズム、自然崇拝が共通する」、李さんは「古代は一緒で、現代においても離れられない隣国。地方レベルでも普遍性を広げるべき。地方交流は国家間の交流の基礎になる」、東郷さんは「古代の同質性は平城京に表れている」。司会を務めた静岡県ふじのくに親善大使の洪萬杓さんは「我々は東アジア人。政治経済の総意はあるが、文化はそれをぶっ飛ばす」と3人の意見をまとめた。
情報提供:トラベルニュース社