観光庁、エジプト気球事故で安全徹底求める-JTBは気球ツアー自粛

  • 2013年3月3日

 観光庁は3月1日、2月26日にエジプトのルクソール近郊で発生した熱気球の墜落事故を受け、旅行会社対し「海外旅行の安全確保及び熱気球の飛行を行うオプショナルツアーについて」と題した文書を発出した。文書は観光庁観光産業課長名で、日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)会長宛に発出。会員各社に周知徹底するよう訴えた。さらに、非加盟の旅行会社に対しても別途送付する。

 文書では「今回の事故以外にも、海外で日本人旅行者が被害にあう事案が発生している」とした上で、海外旅行に対する信頼確保のため、旅行業者として旅行の安全確保について改めて万全を期すように要請。また、事故などで旅行者に被害が発生した場合、事実関係を把握し、関係各方面への連絡などを的確におこない被害者対応に全力で当たるようにとしている。

 今回の墜落事故では日本人を含めた旅行者19名が死亡。日本人はJTBグランドツアー&サービスの募集型企画旅行「悠久のナイル川クルーズと古代エジプト10日間」のオプショナルツアーとして、気球に乗っていた参加者4名が死亡した。観光庁では、事故の発生状況の詳細やその原因などについては現在も現地関係機関が調査中とした上で、旅行会社が熱気球のオプショナルツアーを募集型企画旅行に組み込み、ツアーの申し込みに関与する場合は、ツアー内容が現地の法令を遵守したものであることを事前に確認するよう訴えた。

 こうした観光庁の動きを受け、日本旅行業協会(JATA)では会員各社にメールで文書を送付し、内容の周知徹底をはかる考え。全国旅行業協会(ANTA)でも各支部を通じた文書の送付や、ウェブサイトや機関誌で文書を掲出する予定だ。

 なお、ジェイティービー(JTB)では今回の墜落事故発生を受け、全グループで国内外の気球を利用するツアーと、オプショナルツアーの催行及び販売の自粛を決定。期間は3月10日までとしているが、今回の事故原因が特定され、再発防止対策の構築と対策が実施可能と確認できるまでは再開しないとしている。なお、エジプトツアーについては、気球ツアーは全てオプショナルで設定しているため、エジプトツアー自体は催行する。